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○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。

 今日は参考人の皆様、お忙しい中、国会までわざわざお越しいただきまして、また貴重な御意見を賜りまして、心から感謝申し上げます。大変にありがとうございました。

 まず、池上参考人にお伺いしたいと思いますが、事前にいただいた論文の中で、公営住宅と外国人ということでございまして、その調査をしていく中で、外国人と日本人が今後どうしていきたいか、どう付き合っていきたいかというところで、外国人の方は積極的にかかわりたいとか少しかかわっていきたいという方が四分の三いるのに対して、日本人は外国人に対して消極的ないし拒否的な姿勢の方が七割いらっしゃったということで、同じ団地内に住んでいながら認識がずれているといった、そういった調査の報告を拝見させていただきました。

 今、日本の地域のコミュニティー、再生、これ自体も本当に大変な課題の中、やはりこの外国人との共生というのはまた更に大きな課題にはなってくると思うんですが、この課題に対して、先生のこの十二ページの図にもあるんですけれども、自治会、自治体、企業、これらが連携を取っていく中で、成功とは言わなくても成功に近づきつつあるとか、そういった取組が進んでいる成功事例がありましたら、是非具体的に、こういうことをしてこういうふうに成功して今こういうふうに変わってきたという、そういったことがありましたら是非お聞かせ願いたいと思います。

 続きまして、中山参考人の方には、同じくちょっと住居のことでお伺いしたいと思っておりますが。

 静岡県とか愛知県ですと間接雇用の方が多いということで、派遣会社が保証人になってこういった公営住宅を借りているという、そういったケースが多いということで、今公営住宅に住まわれる方が多いというお話だったんですが、新宿の場合はまたちょっとケースが変わってくるかもしれないんですが、新宿内の公営住宅、都営住宅、区営住宅があると思いますが、もしこの外国人の皆さんの入居状況とか、またそれ以外に、保証人がなくて借りられないとか、なかなか外国人は断られるケースが多いというお話もありましたけれども、実際にそういった方々の住まいの問題ですね、それに対して実態を把握されて、それに対して区としてどのような取組をまた今後考えていらっしゃるのか、もし具体的なお考えがありましたらお伺いしたいと思います。

○参考人(池上重弘君) 御質問ありがとうございます。

   〔会長退席、理事岡崎トミ子君着席〕

 私の書いた論文、同僚との共著なんですけれども、これはたしか二〇〇二年だったと思います、静岡県焼津市のある公営住宅で行った調査です。

 実はその公営住宅は、私たちが調査をする前まで非常に日本人側から苦情がたくさん出ていた団地だったです。もうこれ以上外国人居住者を入れてくれるなというような嘆願書も出されたようなところでした。そこで、私たちは日本人側と外国人側両方に同じような内容の質問項目の調査を行ったところです。それについて細かい内容は話しませんけれども、日本人側は排除の姿勢が強いのに対して、外国人側はもっとかかわりたいという気持ちを持っていたというのが新たな発見だったわけです。

 実はこの話には後日談がありまして、毎年自治会長さんが替わるんですけれども、翌年、当時たしか四十代の若い自治会長さん、たまたまなんですが、大学でスペイン語を学んだという方が自治会長さんになりました。それから随分とコミュニケーションが流暢になりまして、また団地のブラジル人住民からも連絡員のような方が任命をされまして、例えば集会場の利用についてお互いの意見を出し合ったり、少し住みよくなったわけです。

 ここで御紹介したいエピソードの一つは、団地で掃除をするんですけれども、側溝というのは皆さんお分かりですよね、水が流れている。その側溝のふたというのはとても重いんですね。その重い板を外すのはなかなか高齢者には難しい。実は一般論としては難しいかもしれませんが、概して言えることは、外国人住民がたくさん入っていく公営住宅というのは条件の悪いところ、狭いところ、安いところです。そうすると、そこにいる日本人住民の方は、これも概してになりますけれども、高齢者であるとか、一人親の家庭であるとか、障害を持った方であるとかという方も多くて、なかなか重いものを持つことができない。それを若い外国人がやることで、自治会長さん、ありがとうね、助かるよと、一升瓶をたくさん入れたコンテナを持って運んでくれてありがとうと言うと、このくらいだったら幾らでもできますよ、いつでも声掛けてくださいと言って、まさに日本の社会に来て初めて心からのありがとうを言われたと。それがコミュニケーションにつながっていったという話もあるわけです。

 ですから、言葉を交わさないでお互いに反目し合ったままでいるところに何かのきっかけでコミュニケーションのチャンネルができれば、意外とそこから顔の見える関係というのができていくんだという例としてちょっと御紹介させていただきます。

 それからもう一つ、静岡県で今非常に注目を浴びているのは磐田市にある公営住宅です。先ほどもちょっとお話しさせていただきました。公営住宅、県営なんですけれども、半分が外国人です。階段ごとに選ぶ自治会の役員も半分が外国人で、私その自治会の会合へ行きましたけれども、日本語とポルトガル語でやるんです、自治会の会合を。回覧板も必ず二言語で回す。

 そのときに私とても頭が下がったのは、行政が作る難しい日本語を多少日本語ができるブラジル人も訳せません。そこで、日本人の役員が易しい日本語に直します。その易しい日本語をポルトガル語に直して、さらにみんなが読みやすいポルトガル語に直す。何重ものユニバーサルデザインの心がそこに入っているんですね。そして、二つの言語で必ず回す。つまり、同じ住民である以上、同じ情報に触れましょうというある種の哲学をそこに感じるわけです。

 これは、実は自然にできたことではありません。団地の自治会長さんは毎年替わるんですが、その団地を含む広域自治会の自治会長さんという人が実はかなりのパワフルな方でして、その方が、そこだけ孤立させてはいけないということで、御自身がまさに、防災訓練のときの先頭役に立ったり、行政に働きかけたりして、御自分で階段回って、一軒一軒回ったりして、現在のような状況をつくって、それが総務大臣の表彰を受けたということであります。これについては、総務大臣表彰を受けたということで十五分ほどの短くまとめたDVDが既に作成されております。総務省で持っているだろうと思います。もし御関心があれば、そちらを是非御覧ください。

 以上です。

○参考人(中山弘子君) データとしてお話しできるようなものを持っていなくて大変恐縮ですけれども、公営住宅に外国人がどの程度入居をしているかというのは、条件が見合っている場合には入居をしているというようなことであると思います。

 それともう一つは、新宿の場合には、新宿に住まっている世帯数とそれから住居の数を比べますと、世帯が住める住居の数というのがそれを上回っているというような状況にありますので、いわゆる例えば外国人に貸したくないという、そういうようなトラブルがあったとしても結果としては住めている。それともう一つは、これだけ多くなってきて、外国人に貸すということもビジネスになっているというような中で、それからまた外国籍の方々も非常に力を持っているというような状況の中で出てきていると思います。

 実際に住まっていく中での少しちょっと派生してお話ししますと、トラブルの問題等々で思いますのは、いわゆる住まう中で、今先生の方からお話がありましたけれども、コミュニケーションをしていくことがトラブルを解決していく大きなもと。それで、いわゆる偏見で見るのでなく実態を見ていくというような中で、新宿の場合、すべて日本語ルビ付きという、日本語に振り仮名を振ってあると読める人たちがいる。それから、ハングルと中国とそれから多くの人たちにということで英語で、基本的に四つの言語で情報提供をしていますので、そうした中で何をやって見て分かったかというと、ごみ捨場があって、ごみを全部そういうところに捨てていくのは外国人だろうと思っていたら、いや、結果として、徹底して調査をやってみたら、そうではない。まちに寝に帰るだけの愛着を持っていない日本人も同じように同程度に捨てていたんだ。だから、外国人だからそういうことをするのではなくて、地域のルールを知ったり、そういったコミュニティーをつくっていくことが解決になっていくのだというような、そういう状況にまで至っています。


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