○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。よろしくお願いいたします。
今回の教育関連法案は、昨年の教育基本法の改正を受けまして、この我が国の教育システムの枠組みを大きく変革するものとなっております。新しい時代にふさわしい教育環境づくりになりますよう、教育現場の実態、また児童生徒の皆さん、保護者、教師等の声を踏まえながら質問させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日は学校教育法の改正案につきまして、これを中心に逐条的に質問させていただきたいと思っております。
まず、副校長その他新しい職の設置についてお伺いをしたいと思います。
今回の改正では、学校運営の充実や指導体制、その強化を図るために小学校、中学校等に副校長、主幹教諭、指導教諭を置くことができる、このようになっております。新設されるこういった職の役割、また校長先生、また教頭、主任、そういった方々との権限の違い、また関係性をまず初めに分かりやすく御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今回、学校教育法の改正によりまして新たに副校長、主幹教諭、指導教諭の職を置くことができることといたしております。
まず、校長と副校長の関係でございますが、これは校長が校務のすべてについて判断、処理する職であるのに対しまして、副校長は校長を補佐する職であり、また、校長の命によりまして校務の一部を自らの権限で処理することができる職でございます。
また、副校長と教頭の関係でございますけれども、教頭が校務を整理することにとどまるのに対しまして、副校長は、先ほど申し上げましたように、校務の一部を自らの権限で処理することができる職でございます。副校長と教頭が併せて置かれる場合には、教頭は校長及び副校長を補佐する立場に立つことになります。
次に、教頭と主幹教諭の関係でございますけれども、教頭は校務全体を整理する者であるのに対しまして、主幹教諭は校務の一部を整理する職であるとともに、教頭を補佐する立場に立ちます。
次に、主幹教諭と主任の関係でございますが、主任が担当する校務について教員間の連絡調整や指導、助言を行う者であるのに対しまして、主幹教諭は担当校務について一定の責任を持って取りまとめ、整理し、他の教諭等に対して指示する職でございます。
指導教諭と主任の関係でございますけれども、主任が例えば年間の指導計画の作成などの校務について指導、助言や各教員間の連絡調整を行う者であるのに対しまして、指導教諭は例えば具体的な授業方法等を指導、助言する職であるということでございます。
今回の副校長、主幹教諭、指導教諭の設置は、学校が組織としての力を発揮できるよう、組織運営体制や指導体制を整備するものでございまして、このことによりましてより充実した学校教育が行われることとなるものと考えております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
ただいま新しい役職の役割、また関係性について御説明をいただきましたが、こういった新しい職が置かれることによりまして、もう少し、どのように教育現場が変わるのかということで伺ってまいりたいと思いますが。
御存じのとおり、今教育現場では様々な問題や課題を抱えております。いじめや不登校、また学力向上、そのほかにも安全、安心の学校の環境づくり、こういった問題を抱える中で、また、先生方からも本来の仕事よりも事務作業に追われている、こういった声を多くいただく中で、こういった教育環境の中で、こういった新しい役職を置いて、職を置いて新しい環境を整えていく中で、教育現場が本当に変わっていくのか、また先生方の負担が減っていくのか、これが変わるのかということが一番重要かと思っておりますが、具体的にどういうふうに変わっていくのかということで再度お伺いしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今回の新たな職の設置は、学校の必要に応じまして新たな職を置くことによりまして、学校の組織運営体制の充実を図り、各教員が適切な役割分担と協力の下に子供たちと向き合い、保護者や地域社会の期待にこたえることができる学校を目指すものでございます。
学校の組織については、よく校長、教頭以外は同じ教諭というなべぶた型の組織ということが言われるわけでございますけれども、こういった在り方が組織的な学校運営にとってこれでいいのかという指摘がかねてあったところでございます。今回の学校教育法の改正案第三十七条による副校長や主幹教諭の職の設置が実現できますれば、こういう職に就かれた方が権限と責任を持って校務を組織的に取りまとめ、効率的に処理することが可能となりますので、一般教員の事務負担の軽減につながるものではないかと考えております。
もちろん、まだこの主幹教諭等について、これから必要な定数等の問題残っているわけでございますけれども、こういう職を置くこと自体も事務の、校務の組織的な取りまとめという観点から一般教員の事務負担の軽減につながるものであるというふうには考えております。
○鰐淵洋子君 是非とも一つの課題として教員の方々の事務的負担の軽減につながるような体制になることを願っておりますが、それに関連しまして、教員の方々の環境整備ということでちょっと関連してお伺いしたいと思っておりますが、やっぱり先生方がそういった事務的な負担を軽減する中で子供一人一人と向き合う時間をしっかりと確保していく、これも重要な、これからも教育におきまして大きな課題になってくるかと思います。
また先日、私事で恐縮ですが、小学校の五、六年生のときの担任の先生とちょっとお話しする機会がありまして、その先生はちょうど私を担任しているときに結婚されて、その後三人のお子さんを産んで育てられた方なんですけれども、ちょうど二十年前と比べると、二十数年前と比べると確実に仕事の時間は二時間から三時間増えましたと。その中で自分自身も母親として、また奥様として子供を育てながら教員として活躍してきたということで、そういったお話も伺いまして、先生御自身のこの一人一人の子供に向き合う時間の確保とともに、先生御自身、教員自身もそういった子育てとか家庭の時間、また趣味の時間だったり、そういった精神面やそういった部分での充実を図っていくための時間を確保していくこと、これは働き方の見直しをいろんな場面で今叫ばれておりますが、教員の方に関しましても是非ともこのワーク・ライフ・バランスの推進、私生活も充実して仕事も充実する、そういった関係性があると思っておりまして、そういった意味でも、是非とも教員の方々の事務的な負担の軽減、これは今回のこういった新しい体制を図ることもそうですし、先ほども予算のお話もございました。そういった対応も含めまして、更に教育現場の、教員の方々の環境づくり、これを更に推し進めていく必要があると考えております。
この件に関しまして、是非大臣からも御見解をちょうだいしたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 今政府参考人から申し上げましたことに加えて言えば、やはり先生がおっしゃったことをやるには類型的には三つの方法があると思うんですが、一つは、教師の方々がおやりになっている事務その他を、外部に発注できるものはお金を払って外部に発注をすると。それから、お辞めになった先生や地域の方あるいは一芸に秀でた方を、お金を若干お支払いしてボランティアとして学校の中へ入れてきて先生のお仕事をカバーしていただくと。それから、三番目は、やはりこれは正攻法で、教職員の数を増やすということなんですね。この三つはいずれも法律改正や予算が伴いますから、そうしたらいいというのは分かっているわけですが、従来の法律を変えるとか予算を分捕るとか、あるいは去年までの骨太の方針を変えてもらうとか、そういうことがなければこれはできないんです。
ですから、そこへ向けて私は文教行政を、文部科学行政を担当しておりますから、私はもう全力を尽くして今先生がおっしゃっているようなために努力をしたいと思っていますが、政府全体で決めることでございますし、議院内閣制の与党で決めることですから、是非、公明党もひとつ、今先生がおっしゃったことを与党の一員としてバックアップして実践をしていただきたいと願っております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。私もしっかりと取り組ませていただきたいと思います。
次に、先ほどのちょっと質問に戻りたいと思いますが、局長の方からどのように変わるのかということで御答弁をいただきました。組織の体制が充実するというお話でございますが、その一方で、この教員定数の現行の枠内で行う人事でございますので、この新たな職の設置によりまして管理職が増えて、その管理職以外の方の教員の負担が増えるのではないか、こういった懸念の声もいただいております。その点につきましてどのようにお考えか、お伺いいたします。
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま大臣からも御答弁いただきましたように、最近文部科学省が実施をいたしました勤務実態調査によると、先生方、相当いろいろと超過勤務等をされたりし、かつ子供と向き合う時間が十分確保できていないという、そう考える先生も多いという結果が出ているわけでございまして、先生方が子供と十分向き合える時間の確保ということは私ども非常に必要なことだと思っております。そのため、三つの方策ということを大臣からお話ございましたけれども、私どももそういう観点から努めていかなければならないことがあると思っております。
一方、今回の主幹教諭、指導教諭、これ新たな職として設置をされるわけでございますけれども、この方々は児童生徒に対する授業はもちろん行う方でございまして、また副校長も学校の実情に応じて校長の命を受けて授業を受け持つこともあり得るわけでございます。そして加えて、副校長や主幹教諭等が権限と責任を持って担当する校務を組織的に取りまとめて事務の効率化を図るといったようなことが可能になるわけでございますので、新しい職の設置によってこういう副校長、主幹教諭など以外の教員の方の授業の負担が増えないようにやっぱりしていくということはできると思っております。
○鰐淵洋子君 今回こういった様々新しい役職を置くということで、設置しただけで終わるのではなくて、実際に配置されたそれぞれの職を皆さんが的確に全うしているのか、またそういった学校運営が軌道に乗っているのか、そういったことを今後検証するというか、しっかりと今後見ていく必要があると思うんですが、そういったことをされるのかどうか、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今回の学校教育法の改正案をお認めいただき、この三つの職の設置が図られた際には、これまでこういう職をそれぞれ独自にやっている県もあるわけでございますので、そういった県での副校長、主幹教諭等の配置あるいは勤務の状況、そういうもののいい事例というものを私ども集めて御紹介をしたり、さらに、この法に基づきます副校長、主幹教諭等の配置が進んだときに、その状況についてはよく把握をして、また各教育委員会の方に情報を提供していきたいというふうに思っております。
○鰐淵洋子君 是非、より良い体制になるためにも今おっしゃったような対応をしっかりとしていただきたいと思います。
続きまして、指導教諭についてお伺いをしたいと思いますが、この指導教諭は、児童生徒の教育をつかさどるとともに、他の教員に対して教育指導の改善充実のために必要な指導、助言を行うという、こういった役割があるとのことでございますが、この指導教諭がほかの教員に対しましてどのようにかかわっていくのか、具体的にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 指導教諭は、職務の一つとして、教諭その他の職員に対して教育指導の改善及び充実のために必要な指導及び助言を行うということがあるわけでございます。
指導教諭の具体的な指導、助言の場面としては、一つには、校内において模範授業としての授業の公開といったようなことがあろうかと思います。また、二つには、他の教諭の方々の授業を見ていろいろとアドバイスをするということがあろうかと思います。さらに、三点目としては、その学校における指導改善のための研修会の企画をしたりするといったようなことが考えられるわけでございます。こういう場面を通じまして他の先生方に指導、助言を行うことになるほか、日常的に他の先生方にアドバイスをするということは当然あることだと思っております。
○鰐淵洋子君 日常的にほかの先生方にかかわり、またアドバイスをしていくということでございますが、言うまでもなく、こういった指導教諭の方は、だれから見ても、指導力も含めまして、人間性も含めてやはり優れている方ということで、そういう方がならなければ逆に教員の方々の間の信頼関係も崩れてきますし、そういう意味で、この指導教諭の方の任命するときの専門性の判断が大変に難しいのではないかと思っております。
この指導教諭の方の採用するときのこの専門性の判断をどのようにしていくのか、それと併せまして、しっかりと採用の際の公平性、これをどのように確保していくのか、この二つをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 指導教諭は、やはり高い指導力を持って教育現場で優れた教育実践を展開をしている教員であって、その実践的な指導力に基づき他の教員に適切に指導、助言することができる方が任用されるということを想定をしている職でございます。
したがいまして、この指導教諭の専門性としては、一般的には授業の実践力、学級経営の力量、生徒指導の能力、こういったことなどが考えられるわけでございます。具体的な指導教諭の選考に当たりましては、各地域や学校の実情に応じまして、任命権者でございます各都道府県教育委員会等におきまして適切に判断されるべきものと考えております。
なお、採用の公平性といったようなお話もございました。私ども、法案がお認めをいただきました後に、各任命権者が指導教諭の例えば選考の要綱を定めまして公表することなどを通じて、その指導教諭の職にふさわしい方が公平に選考されることとなるように促してまいるとともに、各都道府県の成功事例を共有できるように、そういった情報の収集、周知などの工夫を講じていきたいと思っております。
○鰐淵洋子君 是非とも、日常的にほかの教員の方々とかかわる指導教諭でございますので、繰り返しになりますが、専門性の判断、また公平性をしっかりと、採用の際の公平性の確保ということでしっかりとやっていただきたいと思います。
次に、大臣にちょっとお伺いしたいと思いますが、今回、副校長等の新しい役職が置かれることによりまして、これまでの学校の管理運営の責任が多少分散といいますか割り振りがされるかとも思います。そのことによって、逆にこの責任が分散をしてしまってその責任の所在が分かりにくくなったりとか、また連係ミスにつながったりとか、そういうことになってはならないと思いますので、そういった意味で、その学校の最高責任者でありますこの校長先生のリーダーシップ、どのようにこの学校運営含めて指揮を執っていくのか。これが更に校長先生の役割が大きくなっていくのではないかと思っております。
そこで、大臣の方から是非、この校長先生の役割について御認識、また校長先生につきましては都道府県の教育委員会の方で管理職の研修を行っているということでございますが、これは都道府県の教育委員会の取組でございますのでどうこう言うことはできないかもしれないんですが、私個人としては是非これ充実も重要かと思っておりまして、もしこの点につきましても御意見がありましたらちょうだいをしたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 管理職というか副校長等の新しい職ができますので、おっしゃっているように校長のリーダーシップは従来より更に重要になることは御指摘のとおりです。特に、カリキュラムの編成、学校の管理等は校長先生にゆだねられていますので、私どもがどこまでそれを各教育委員会に徹底できるかは別として、校長先生にやはり予算権と人事権をかなりの程度下ろしていかないと学校の管理ができないと私は思っております。
〔理事中川義雄君退席、委員長着席〕
したがって、今回も校長先生の評定を受けた市町村教育委員会の人事評定を重視をしながら都道府県は人事異動をしなければならないという項目を入れてあります。その上で、今先生が御指摘になりました各県と政令市において管理職のマネジメント研修をしておりますので、その各県がやっております内容を収集しまして、そしていいものを中心に教育長会議その他で、あるいは校長会などにもお教えしたり、そういうことをやっていきたいと思っております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
是非、今学校の抱える問題も多様化しておりますし、様々変化の連続でございますので、そういった校長先生もベテランの先生ではございますが、そういった研修等も重ねながら、より良い学校づくりということでリーダーシップを発揮していただきたいと思いますので、今おっしゃったような取組を是非強力に推進していただきたいと思います。
続きまして、学校評価について質問させていただきたいと思います。
改正教育基本法十三条に学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力について規定が設けられておりますが、学校、家庭、地域と連携を取りまして社会総掛かりでこの教育に取り組んでいくということで、その上でもこの学校評価と情報公開というのは大変に重要な位置付けになると認識をしております。
では、どのようにしてこの実施をされていくのかということで質問させていただきたいと思いますが、前回の委員会でも山本委員の方からも質問がございましたが、この第四十二条に規定をされております「大臣の定めるところにより」、このようにございますが、これは一体何を定めるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今回の学校教育法の改正案第四十二条では、各学校は、文部科学大臣の定めるところにより学校評価を行い、その結果に基づいて学校運営の改善を図る旨規定をしているところでございます。
この文部大臣の定めとして、これからいろいろ検討すべきこと多いわけでございますが、今考えておりますのは、自己評価や外部評価の実施及び公表の在り方や、各学校が行った評価の結果を設置者である教育委員会に報告するといったようなことを促すこと等の内容を考えております。
この法案をお認めいただきました場合には、法案の審議における御議論を参考にし、また専門家の御意見を踏まえながら、具体的な内容について定めていきたいというふうに思っております。
○鰐淵洋子君 前委員会でも山本委員の方からも確認がございましたが、この「大臣の定めるところにより」というのは、例えば評価の仕方とか評価項目、こういったものを一律に決めてこのようにやっていきなさい、そういったものではないということで確認をさせていただいておりますが、そこで改めて、この「大臣の定めるところにより」、これが一体どういうものなのかということで、この性格といいますか、それを確認をさせていただきたいと思いますが、平成二年、福岡県の伝習館高校事件での最高裁の判決によりまして、学習指導要領は法的拘束力を持つものとの理解をしておりますが、まず、この学習指導要領の性格についてお伺いをしたいと思います。
あわせまして、この学習指導要領とこれから規定をされるであろうガイドライン的なもの、これがどういった法的位置付けになるのか、学習指導要領と同等のものなのか、また違うものなのか、この二点をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、学習指導要領でございますけれども、学習指導要領は、学校教育法施行規則の規定に基づきまして、教育課程の基準として文部科学大臣が告示として定めるものでございます。いずれの学校においても教育課程を編成、実施をする場合、この学習指導要領に基づいて編成、実施をしなければならないという点で法的な拘束力を有するものでございます。
この点につきましては、昭和五十一年五月の旭川の学力テスト事件の最高裁判決におきまして、学習指導要領は法的見地から教育における機会均等と全国的な一定の水準の維持という目的のために必要かつ合理的な基準として是認をされているところでございます。また、お話のございました平成二年一月の伝習館高校事件最高裁判決におきましても、先ほどの判決が踏襲をされ、学習指導要領が法的拘束力を有することが確認をされているところでございます。
一方、義務教育諸学校における学校評価のガイドラインでございますけれども、これは、学校の教職員による自己評価や保護者等による学校評価につきまして、学校や教育委員会における取組の参考に資するように、評価の項目などについて参考あるいは目安となる事項を示した文書でございます。よって、この学校評価のガイドラインは、法的拘束力を有するということではなくて、学校評価の方法や評価項目が必ずこれに沿って行わなければならないという性質のものではございません。あくまで評価は各学校や教育委員会によって、その創意工夫によって実施をされるわけでございまして、そのための参考となる資料であるということでございます。
○鰐淵洋子君 もう一度、最後確認をさせていただきたいと思いますが、この改正案四十二条に基づく評価というのは法律上の義務ではなくてあくまで努力義務でありまして、また、この大臣の定める内容というのは参考にとどまるもの、そのように理解してよろしいでしょうか。再度確認をさせていただきます。
○政府参考人(銭谷眞美君) 学校教育法改正案の四十二条に基づきます学校評価は、これは各学校行っていただくわけでございます。ただ、その評価を実施するに当たりまして、どういう評価項目でどのような形の評価を行うかにつきましては、これはそれぞれの学校の創意工夫が求められているわけでございます。
したがいまして、例えば評価項目等につきまして、学校評価ガイドラインで参考となる目安等は私どもまたお示しをしたいと考えておりますが、これが全国一律の強制的な性格のものとはならないように考えているところでございます。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
では、今後の方針についてもお伺いしたいと思いますが、昨年定められましたこのガイドラインでございますが、その中にも、今後継続的に見直す、そういったことも書かれておりまして、これも前回の委員会で確認がございました。局長の方からも、今回の法案について認めていただければこのガイドラインについても見直しを行っていく、そういった答弁がございましたが。
そこで、改めてお伺いしたいと思いますが、今後こういったガイドライン等の見直しがあっても、将来的にも、このガイドライン的なものなんですけれども、性格は変わらないのかということで、学校評価はあくまで現場の主体的な取組ということで、性格的なものは変わらないのかということで、将来的な方針を確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今回法案をお認めいただきました後、学校評価のガイドラインについても見直しを行うことが必要と考えておりますが、その際には、各学校や教育委員会がその実情に応じて創意工夫を発揮して、学校評価をより一層充実することができるように、ガイドラインについては全国一律の強制的な性格のものとはならないようにしたいと考えております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
この学校評価の推進状況でございますが、自己評価をほとんど公立学校で実施をされていると伺っております。また、より良い教育環境づくりを進めるためには、是非、この学校評価をする上で児童生徒の声をしっかりと聴いていくことが重要ではないかと私は考えております。やはり学校の中で、教育現場で教育環境、一番影響を受けるのは、もちろん言うまでもなく児童生徒でございますので、この児童生徒が学校に対して、また教員に対してどう見ているのか、どう感じているのか、是非この児童生徒の声を聴く、そういった自己評価の推進が重要であるかと思っております。
今、児童生徒による学校評価がどのように進んでいるのか、また、児童生徒による学校評価をこれからもしっかりと推進していくことが重要であると思っておりますが、その点について文部科学省の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 平成十七年度の調査結果によりますと、各学校が学校評価を行う際に児童生徒を対象にアンケート等を実施をしている割合は、公立学校で四一%でございます。
学校評価を行う過程におきましてこの児童生徒の意見や要望を把握するということは必要なことだと考えておりまして、先ほど来お話に出ております学校評価ガイドラインにおきましても、自己評価の実施に際しまして、児童生徒等の具体的な意見や要望、あるいは児童生徒に対する授業についてのアンケート結果を活用するといったようなことも一つの方法であるということを参考に示しているところでございます。
各学校が、児童生徒の意見や要望等も参考にしながら、学校評価の結果の全体を踏まえてその教育活動の改善が図られるように促してまいりたいと考えております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
今回、四十二条、四十三条で、学校評価制度の推進、またその情報公開、これが更に推進していくようにということで私も願っておりますが、最終的な目標としてはやはり学校運営が改善されることが重要でございますので、そういった意味で、この学校評価をして、またその学校評価に基づく情報公開をして、それは大前提といたしまして、その後、学校評価を基に様々学校の課題が出てくるかと思います。
その課題に対しまして学校側がどう今取り組もうとしているのか、改善に向けてどう行動しようとしているのか、そういったことを、すぐ結果に結び付かないものもあるかと思いますので、今このようにやっています、進行中のものでも結構だと思うんですが、是非とも、学校がこのように改善に向けて取り組んでいるということのその部分の情報の公開もすることによりまして、地域住民の方や保護者の方、そういった方々の信頼を得るためにはその部分の情報公開も重要であるかと思っております。
学校評価の実施、またその情報公開、またその後にどう取り組んでいるのか、その部分を積極的に是非学校側も情報を提供するような、そういった体制づくりも重要かと思っておりますが、大臣、御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 今の先生の御質問は、今回提出いたしております学校教育法の改正案の四十三条に「情報を積極的に提供するものとする。」と書いてございますので、やっていただかなければいけません。
ただ、今政府参考人が御説明を申し上げましたように、ガイドラインを作りまして、学校評価の結果やそれに基づく改善方策を保護者や地域住民に積極的に情報提供をするわけなんですが、自己評価はほとんどの公立学校でやっておりますけれども、残念ながら公表率は六割にとどまっております。したがって、今後、学校が学校評価の内容や改善方策の中間的な情報ですね、今おっしゃった、ようなものについてもやはり積極的に提供をし、例えば学校協議会の場だとかいろいろな場があると思います。地域社会と御家庭の協力を得なければ学校は一体となって児童生徒の教育、しつけができないわけですから、そこには、何というんでしょうか、積極的に先生の御示唆のようなことを各教育委員会を通じて促していくというのが我々の仕事だと思います。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
是非、この学校評価の制度、また情報公開が反省的なもので終わらないように、本当に学校の改善につながるようなシステムになるように、是非とも先ほどおっしゃっていただいた対応をよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、この法律とは関係ないんですが、現職教員特別参加制度というものについて、最後、質問させていただきたいと思います。
先週の委員会でも中曽根委員の方から、長期社会体験研修制度、また中国、韓国との教員者の交流事業、この充実について質問がございました。教員の方が社会活動、様々な経験を積んだ中で人間性を豊かにして、人間としての幅を広げて、そういった取組を私も大変に重要であると思っておりまして、是非ともそういった取組も更に推進をしていただきたいと思っておりますが、それと別に、私自身も本当にすばらしいなという制度がありましたので、その制度の推進のために今日は質問させていただきたいと思っておりますが、それは青年海外協力隊現職教員特別参加制度というものでございます。
これは、青年海外協力隊に現職の教員の方がその身分を保持したまま開発途上国に行きまして教育に携わる、こういった制度でございます。この制度は、日本の国際貢献につながるのはもちろんでございますが、教員自身が今まで経験したことのない教育環境の中で、また子供たちの中で様々体験をすることができますし、大変に有意義な制度であると思っております。
私自身も、この制度に参加をした教員の方々から直接声を伺うことがあったんですけれども、その参加された一人の女性の先生は、まずなぜ参加をしたのかというところで、やはり日々の仕事に追われていて閉塞感を感じていて、何かやっぱり変えたいということで応募をされて参加されたそうでございます。その方はドミニカに行かれたそうなんですが、まず現地に行って感じたことは、今まで仕事が本当に大変と思ってきたけれども、ドミニカに行って、逆に自分は本当に恵まれた環境の中で仕事をしていた、そのことに気付いたということと、また、学校で今までは何か問題があれば全部子供たちのせいにしていたけれども、そうではなくて全部自分の責任である、そういった派遣を通して感じたこと、また戻ってきて自分が教師として働いていく上で自分の姿勢が、全部自分に責任があるんだと、その姿勢が変わったときに子供たちにも笑顔が出てきて、子供たちの様子も変わってきた、このようなお話も伺いました。
また、実際に行かれた方々が戻ってからの活動もすばらしいなと思ったんですが、音楽の先生、パラグアイに行かれた音楽の先生は、南米の音楽を通して南米諸国の状況を伝えたり、戻ってからそういう活動をされております。そのほか、先ほどのベトナムの先生も、世界には鉛筆一本を手に入れるのも大変に厳しい環境の中で子供たちは勉強していると、あなたたちも感謝の思いを持って頑張っていきましょう、そういった授業を行ったり、戻ってからもそういった経験を生かして授業等取り組まれていると伺いました。
そういった今回の派遣制度でございますが、私も改めてお話を伺って、本当にすばらしい制度でありますので、先生方の資質の向上もそうですし、また、昨年改正されました教育基本法にも、「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。」、このように教育の目標にも書かれておりますので、この達成という観点からもこういった制度の充実が重要であるかと思っております。
今お話ししたことに対しまして、感想でも結構ですし、また御見解、この制度の充実、重要かと思っておりますが、大臣から御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 先生がおっしゃったとおり、率直に申せばお説のとおりだということでございます。
それで、国公立の現職教員を文部科学省からJICAに御推薦を申し上げて、そしてJICAで出していただいているわけで、何というんでしょうか、所属しておられる都道府県に対してその給与の八割を上限としてJICAが補助をしながら、そして、もちろん先生が行かれると都道府県の定数には穴が空きますから、その代替教員を義務教育国庫負担費の対象にして、ですから、八割までの予算を別枠として助成しているということですね、結論的に言うと。
そういうやり方をして、現在、八十名から九十名の方が毎年海外に出ていただいておりますので、日本を理解していただくと同時に、今おっしゃったように、出た国の今度文化を持って帰って日本人が理解していくということは非常にいいことだと思いますから、積極的に推進したいと思っております。
○鰐淵洋子君 今大臣からもおっしゃっていただきましたが、毎年百名の枠があるということでございますが、実際に派遣されているのは大体六十名から八十名ということで、この枠を満たしていないのが現状でございます。その枠を満たしていない理由を簡潔に教えていただきたいと思います。
○政府参考人(瀬山賢治君) お答え申し上げます。
JICAの方では百名の枠がございますが、実際派遣されている人数は百名以下でございます。その理由、幾つかございますが、一つは、百名を超える応募者があるけれども、応募人数の三割程度の方が現地の生活環境や医療事情を考慮して比較的厳しい基準が設けられている健康診断において不合格になっておられます。
ちなみに、平成十九年度派遣は、応募者百六十七名に対しまして五十三名の方が健康診断で不合格になってございます。また、派遣国の要請と本人の希望の不一致、ミスマッチがございます。その結果不合格になる例もございます。
いずれにせよ、派遣者数を増やすためにはより多くの応募者を得る必要があります。昨年、都道府県教育委員会に対して行ったアンケートによりますと、例えば各都道府県の財政事情による派遣人数の制約、また派遣期間中の代替教員の確保などの課題があるという結果が得られてございます。
以上でございます。
○鰐淵洋子君 百名の枠を満たさない理由ということで今御答弁いただきましたが、是非とも、すばらしい制度でございますので、一人でも多くの方に参加をしていただきたいと思いますし、そのためには、先ほど答弁がございましたが、応募者数を増やすしかないと思いますので、是非ともこういったすばらしい制度があるということ、行かれた方の経験、活動報告も含めて、是非もっと積極的に教員の方々にアピールをしていただきたいと思っております。(発言する者あり)ありがとうございます。
そこで、具体的には、パンフレットとか、そういうものをしっかりと、初任者研修とか十年研修とか、そういったときにお配りするとか、また帰国報告大会みたいな、そういうこともやられているようですので、それを是非ビデオにしたりとかDVDにしてお配りするとか、様々方法はあると思いますが、是非ともこの応募者数を増やす努力ということでやっていただきたいと思いますけれども、その点についていかがでしょうか。
○副大臣(池坊保子君) 私も派遣教員の報告会に出席いたしまして深い感動を覚えました。教師が積極的に社会活動をすることに対して、もっともっと推進していかなければいけないと思います。子供と向き合うことはもちろん大切ですけれども、ほかの様々な活動をすることによって、更に子供と向き合う気持ちが違う角度から生まれてくるのではないかというふうに思います。
今おっしゃいましたように、こういう、JICAと協力いたしまして、「青年海外協力隊」、これよくできていると思うんですね。これ十万部も配布しているんですが、皆様ごらんになったことないんじゃないかと思います。どこに行っちゃっているのかとむしろ思いますぐらいで、これをもっと有効的に使いたいと思っておりますことと、それから報告会も実施しているんですね。だけれども、余りこれが機能していないのではないかと思いますので、もっと積極的に教育委員会だとか、それから校長会でも私もPRしてまいりたいと思います。委員も是非PRに参加して、いろんなところで言っていただけたら。まず知られなくては、行こうと思う人の、希望者の数を増やすことはできないと思います。
それから、私、残念に思いますのは、百名の定員があるにもかかわらず八十七名なんですね。これは三割ぐらい減るんです。ですから、私は補欠ということで、採るときに百名きっちりというんではなくて、百三十名、百四十名を採って、やっぱり私はここには行きたくないとか、健康診断で駄目ということが出ますから、もうちょっと多めに採っていいのではないかというふうに思いますので、その辺の工夫もしたいと思います。
それから、先ほど大臣がおっしゃいましたように、八割出ますよね。でも、北海道など工夫をしているところもございますので、こういうのをやっぱり周知徹底して、こういう工夫をしているところもあるんだから、皆さん方も、教育委員会が頑張っていろんな工夫をして、青年海外協力隊に是非先生を参加させてくださいということを呼び掛けていきたいと思います。これを是非していきたいと思います。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
是非、教員の方々の周知徹底と、先ほどもお話しいただきましたが、教育委員会や周りの方々が本当に快く送り出してくれるような環境づくりも重要ですので、そちらの方の環境づくりということでしっかりとお願いしたいと思います。
時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。
ありがとうございました。
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