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○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
 公述人の富田先生、北沢先生、本日はお忙しいところ国会までお越しくださいまして、また貴重な御意見を賜りました。大変にありがとうございました。

 私の方からは、先ほどから各委員の先生からもお話がございましたが、今、日本の経済はどうなのか、またこれからどうなっていくのか、また格差社会はどうなっていくのか、こういった声もいただいておりまして、これも正に重要な課題だと思っておりますので、改めてこの件に関しましてお二人の公述人にお伺いしたいと思っております。

 先ほどもお話ございましたが、様々経済指標を見ましても、経済は改善している、そういったことは間違いないと思いますが、残念ながら、経済が回復しているその恩恵が国民の皆様まで行き届いてないということが大きな課題でございます。そのために、大都市から地方へ、また大企業から中小企業へ、企業から家計へ、この三つの流れを起こして、また確実にしていく、これが一つの大きな課題だとも思っております。

 そこで、今申し上げましたこの三つの流れ、都市から地方へ、大企業から中小企業へ、企業から家計へ、この三つの流れを確実に起こして確実な流れにしていくためのそれぞれの公述人のお二人のお考え、またポイントがございましたらお伺いしたいと思います。

○公述人(富田俊基君) 先生御指摘のような流れというのは大変重要なことだと思います。ただ、これをどうするかというのはなかなか答えがすぐあるわけじゃないと思うんです。

 と申しますのも、我が国経済は世界経済の中の日本であります。日本の中だけで何かしても、この世界経済の大きなうねり、とりわけ冷戦が終わってから極めて安価で豊富な労働力がより自由と豊かさを求めて市場経済に参入してきて、そしてよりいい物を安く生産するようになりました。その恩恵を、我々国民、都市も地方も大企業も中小企業も家計も、全員が被っているわけでございます。

 それと同時に起こっていることは、そういう、世界の中でたくさんの方が市場経済に入ってきた結果、これまで日本でそういう産業に従事していた、物を作っていた人というのは非常に激しい競争に立たされているわけです。したがいまして、より生産性、付加価値の高い分野にどう我が国経済全体がシフトしていくかということが大きな課題だろうと思うんです。

 やはり、厳しいときには人間頑張って知恵が出るんだというふうに私は思いたいんです。したがって、この答えがなかなか見付からなくて大変恐縮なんですけれども、何か方法があるんだろうということの前に、私は、この大きな世界の流れの中で、個々の企業そして個々の個人が考えていくことがまず第一にあるべきだろうというふうに存じます。

○公述人(北沢栄君) お答えします。
 基本的に、まず安心、安全のネットワークをきっちりつくれるかどうかが一つポイントだと思うんですね。

 というのは、安心、安全がないと消極的になって消費も増えませんよね。先ほどアメリカの話出ましたけど、私の友人は個人的に破産したことがあるんですよ。でも、楽観的ですよね、その後。今は相当年収をかなり得ていますね、弁護士として。ですから、それこそ敗者復活的なものができるという機能、これ重要ですよね。

 それから、とにかく頼れるものがあるという、その頼れるものは、最終的には例えば年金があれば何とかやっていけるというのがちょっと将来の受給不安からおかしくなっているというところはすごく重要なことだと思うんですね、だれでも年取りますから。その安心、安全のセーフティーネットワーク。

 それからもう一つは、企業の負担、個人の負担を減らす。どうやって減らすかはもう知恵を出して工夫しなきゃいけませんけど、負担減ですよね、それは精神的にはストレス減とも言えますけど。そういう負担、いろんな負担ありますよね。規制によるもう面倒くさい負担もありますよね、手続の。だから規制解除しろとか緩和しろという要求にもなりますけど。それはもうケース・バイ・ケースあるんですけど、とにかく負担を減らすということと安心、安全のネットワークをしっかりすると。

 現実的なことを言いますと、今厚生年金へのパートへの拡大ありますけど、これははっきり言って企業の負担が物すごく掛かりますから、私はこれは不適当だと思っているんですよ。

 なぜなら、保険料、半額企業負担ですよね。そうなると、これ物すごい法人税以上の負担になっていきますので、じゃどうしたらいいのかといったら、パートの人もフリーターも、基礎年金についてはもう税金で、消費税でやるとか、そのプラスアルファは自分たちが支払った額に応じて受け取れるようにすべきですけど、そういう、もう国民年金制度が崩れちゃっているから、厚生労働省もここで取りたいところから取るということでやっているんでしょうけど、これ企業の負担が大きい上に、パートの人も必ずしも全部いいわけじゃないですよね。だって、負担しますからね。手取り減っちゃうから反対者の方が多いという。アンケート調査によると、全国ストア協会がやったんですけど、反対者の方が多いですね。なぜなら、今ある確実な収入が減っちゃうという。

 イソップ童話に、ドゥー・ノット・スロー・アウェイ・プレゼンツ・シュワティー・フォー・フューチャーホープスというのがあるんですけど、フューチャーホープがあればいいですよ、まだ年金がちゃんともらえる。それもないから、今の確実な収入は減らせないということがありますから、このパートへの適用拡大というのは非常に大きな欠点を持っていると私は見ているんですね。

 じゃどうしたらいいかといったら、抜本的なもっと改革。それがさっき言った安全、安心のセーフティーネットは、例えば国民年金はもう瓦解していますと、じゃこれに代わってどういうふうにやるかといったときに、もっと知恵を出して根本的な改革をやるべきだと思うんですね。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 先ほど私も申し上げましたが、大企業から中小企業へ、中小企業から家計へ、この景気回復の恩恵を、この流れをつくっていくということで課題としてお話しさせていただきましたが、その中でやはり中小企業の生産性を向上して、ここが一つの大きなまたポイントでもあると思いますけれども。

 その中で、これまでも予算委員会でも各委員の先生方からも課題として取り上げられておりまして、例えば、先日もテレビの捏造番組の件で全日本テレビ番組製作社連盟がアンケート調査をいたしまして、その中で、孫請制作費が過去十年間で半減をしていた、そういったこと。また、そのほかにもキックバックや接待の要求、こういった下請いじめや孫請いじめ。こういった実態が改めて明らかになっておりまして、こういった中小企業におきます問題や課題もございますし、こういったことも含めて、今政府としてもこの中小企業の生産性向上に向けて様々政策を講じているわけでございますが、その政府の政策に対して何か御意見、また、もっとこういうふうにしていったらいいんではないか、そういった具体的な御提案ございましたらちょうだいしたいと思います。

 お二人からです。お願いいたします。

○公述人(富田俊基君) 鰐淵先生から非常に重要な御指摘あったわけですけれども、中小企業対策として、現在も大企業には適用されていない政府系金融からの融資というのが受けることができるわけでして、そういう意味で、将来の事業展望をきちんと作成し必死に努力する中小企業に対しては門戸が大きく開かれている、大きな企業以上に開かれているのが日本の現状であろうかと思います。

 今先生御指摘のような問題もいろいろと報道されてはいますけれども、もう今は中小企業だからということではないと思うんです。企業の規模の大小というよりも、もう中小企業の中にも非常に大きな成長力を秘めた企業はたくさんあり、株式市場からも資金を調達して更に大きな発展を遂げていこうという企業もたくさんある時代になっておりますので、余り大きい小さいというふうなことで区別して物を見るというのは、私は、だんだん二十一世紀になったら、やはりそういう考え方からも決別する時期が来るようになってきたというふうに楽観的に考えております。

○公述人(北沢栄君) 私は、今の中小企業の問題は、一つはいじめの問題と共通する深刻な問題だと思うんですね。それは今御指摘があった世界的な大競争時代で、何とか企業、生き延びなきゃいけないと。そこで、日本がコストずっと高かったですからコストダウン、リストラを含むコストダウンを迫られてやりましたよね。その今コストダウン要求というのは常に激しいですから、それを下請に転嫁する形で、例えばあるあるの場合の孫請の問題もそうですよね。

 ですから、これは下請いじめというのは現に起こっていて広がっているので、これは実は独禁法違反ですよね、あるいはほかの違反にもなりますよね。ですから、独禁法の優越的地位の濫用を厳格に適用してもらいたいと思いますね。それは、談合の場合には去年から相当厳しくなりましたよね。談合は独禁法の改正によって相当厳しくなった結果、このごろ、去年の三知事の逮捕とか、今年に入って名古屋とか、いろいろ出ていますよね。

 同じように、コンプライアンスの問題として、銀行とか大企業、つまり、中小企業にとってどこかに依存する率が例えば三割以上とか高い場合には、コストダウン要求とか理不尽な要求に屈せざるを得ないとか、あるいは、やらないと脅かされちゃう場合ありますよね、取引の縮小とか停止とか。そういうやはり濫用があると思うんですね。なかなか自分から手挙げられませんから、それを公正取引委員会はきちっとコンプライアンスの適用を求めるということがいいと思うんですね。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 先ほどもそれぞれの公述人からも少しお話が出ておりましたが、今グローバル化が進展する中で、インドや中国、こういった新興経済国の労働市場が日本に入ってきていると。そういった中でやはり日本人の給料が下げ圧力に遭っているのではないか、そういった見解もあるわけでございますが、これに対するそれぞれの先生方のお考え、また、今後更にグローバル化が進んでいく中で、どのように日本の、具体的に言いますと、日本の方の給料を上げるための方策といいますか取組、ちょっと時間が限られておりますが、お考えをちょうだいしたいと思います。

○公述人(富田俊基君) 私は、やはりほかでは作れない、あるいはほかの企業では作れないようなものを創意工夫して製品を作っていく、あるいはサービスを行うという、それぞれが比較優位を持つようなものに特化していくということが大事だろうと思うんです。同じことを、他の新興国と同じようなことをやっていれば競争に負けてしまいます。

 そういう意味では、そういう分野をやはり個々人、そして個々の企業が必死に探し、そしてそれを製品化し供給していくことだろうというふうに思います。

○公述人(北沢栄君) 私二つあると思うんですね、ポイントは。

 一つは、外国人労働者を多く受け入れてきちんと使うと。法律に基づいてきちんと使う。今現状は、十四万五千人ほどいる外国人請負労働者、これは例の日本でも超一級の企業の例えば子会社が偽装請負やっていたことが発覚したり、要するにモラルが喪失しているわけですから、この外国人の最底辺部分をそういう使い方しちゃまずいですよね。ですから、これをきちっと受け入れるような法的体制をつくるというのが一つ。

 それからもう一つは、日本人の特性を生かす、例えば、小型車見ても、これ、やっぱり外国車にないですよね。日本の小型車というのは、もう収納箱から何から物すごく細かいでしょう。ああいうすごく神経の行き届いたそういう美的センスを含むいいものがあるんですよね。そういういいセンスを生かすような職業訓練を公的に行うと。

 今、雇用・能力開発機構というのは、私の見る限りそういう、私のしごと館じゃ駄目ですね。ああいう、ただぼんとあって、行った人が言っていましたよ、何にも役に立たないって。ああいうただ見るだけじゃ駄目で、ちゃんともっと実用的な訓練するような、ドイツなんかあるんですよね。そういう公的職業訓練が必要だと思いますね。

○鰐淵洋子君 以上で終わります。
 大変にありがとうございました。


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