○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
各大臣また関係者の皆様におかれましては、連日大変にありがとうございます。
まず、私の方からは初めに成長力底上げ戦略につきまして、またそれに関連して何点か質問させていただきたいと思っております。
まず、大田大臣にお伺いいたします。
この成長力底上げ戦略では、働く人全体の所得や生活水準を引き上げつつ格差の固定化を防止することに重点を置いた戦略と承知をしておりますが、この戦略を進めることによりましてどのようになっていくのか、この将来像をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) 成長力底上げ戦略は成長を支える基盤である人材と中小企業の向上を図ろうとするものです。
〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕
これまで職業能力を高める機会に恵まれなかった人、生産性向上の機会に恵まれなかった中小企業にその機会を提供すると。そして、だれでもいつでも能力を高める機会を得られる社会、能力を発揮できる社会を目指しております。これによって労働市場の参加それから生産性の向上が図られまして、働く人全体の所得水準、生活水準の向上につながると考えております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
意欲のある人やまた中小企業等が自らの向上に取り組める、最大限にそういったチャンスを拡大していただくということで、こういったこの方向性、私も支持をしたいと思っておりますが、いずれにしても、この戦略を進めるに当たりましては、この戦略の中にもうたわれておりますが、能力開発、また福祉から就労への移行、そのほか生産性の向上と最低賃金の問題、こういった働く人全体の底上げを目指したこういった政策といいますのは、いずれも企業や経済界の皆様に変革や負担、また企業や経済界の皆様の賛同や協力がなくては進まないものばかりだと思っております。
そこで、政府といたしまして、どのように企業、経済界の皆様に働き掛けて、官民一体となった取組を進めていくのか、その方向性とまた御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) 先生御指摘のように、産業界との連携が不可欠です。そのために、この底上げ戦略推進するために、経済界、労働界、政府の三者による円卓会議を今月中に設置いたします。その後、地方においてもこの円卓会議を設置して、実現に努めてまいりたいと考えております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
また、地方におかれましてもこういった会議が行われるということで、やはり地方によりましても様々課題も違うかと思います。よりきめ細かいこういった各界の皆さんとの審議を進めていく中で、しっかりとしたきめ細やかな就労支援含めまして進むことを希望したいと思っております。
そこで、次の質問に入らせていただきますが、企業界、経済界の協力を得ていくためには、できることは官庁からしっかりと率先して取り組んでいく、企業に、企業の方に範を示すということが望ましいかと思っております。
そこで、我が党としましても、国家公務員におきましても中途採用の拡大、これを推進していった方がいいんではないか、こういったことを訴えさせていただいておりました。そこで、来年度から国家公務員の中途採用者選考試験、これが実施されることになったと伺いまして、これ三十歳から四十歳以下で学歴や職歴は問わない、採用予定数、予定者数は約百名ということで伺っております。
是非これも成功させていただきたいとも思いますが、同様の観点から、国家公務員よりもはるかに雇用規模が大きくまた生活の現場に近い地方公務員におきましても、多様な人材の登用また再チャレンジ、こういった促進の観点からも地方公務員におきます中途採用の拡大、これも是非進めていくべきではないかと思っておりますが、総務大臣に御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(菅義偉君) 鰐淵委員御指摘のとおり、やはり地方公共団体においても、一定の社会を経験をしたそうした人材を対象に経験者採用試験を実施し、継続的に中途採用を行っているところも実はあります。
総務省としても、やはりこうした多様な人材を確保していくことは極めて大事である、こう考えておりまして、こうした中途採用された職員の体験談、こうしたものを実は幅広く紹介をいたしております。また、昨年十二月にまとめました再チャレンジの支援プラン、この行動計画の中でも、地方公共団体においても中途採用の推進が盛り込まれております。これを踏まえ、今後とも地方公共団体に対しての中途採用、この推進というものを総務省として推進をしてまいりたい、こう考えております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございます。
地域によっても様々実情はあるかと思いますが、是非とも、先ほども申し上げましたが、国民の皆様の生活の場に近い、より良い、本当に近い場でもありますので、そういった意味でも是非積極的にこの地方公務員の中途採用の拡大、進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、次の質問に入らせていただきますが、この戦略の中で、自らの能力を発揮できる社会の実現ということで、ジョブ・カード制度の運用が盛り込まれております。これは求職者、企業の双方にメリットがありまして、フリーターなどの方の求職、就職活動を円滑にする、そういった画期的なシステムであると評価をしております。
しかし、このジョブ・カードがその人の職業能力、また人材としての格付になるようなものにならないように、そういった配慮をする必要もあるかと思っております。
働く意欲のある人、そういう方々の能力のステップアップ、これが図れるような柔軟な制度にすべきであると思っておりますが、御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(大田弘子君) ジョブ・カードは、今先生がお話しになりましたように、フリーターや子育て後の女性など、仕事を続ける人が実際の企業の現場で職業訓練を受けることを支援する制度です。まず、コンサルティングを受けまして、企業の中でトレーナーに付いて職種ごと、業種ごとに作成されたプログラムに沿って訓練を受け、目標水準を達成した場合にその実績評価がジョブ・カードに記入されるというものです。
したがいまして、その格付をしたりランク付けをするというものではありませんで、訓練を受けて、その実績の評価が書かれるということになります。大学や専門学校でも実績型教育プログラムを用意しまして、それを受講した記録もジョブ・カードに記入されます。
これまで日本は企業内訓練が主流でしたので、正社員になれないと能力を高める機会も得られないと。したがって、一度フリーターになりますとフリーターにとどまらざるを得ないということがございました。それが格差を固定化しがちですので、ジョブ・カードは、この企業内訓練を社会横断的な訓練へと転換させるものになります。是非、実効性ある柔軟な制度に育てていきたいと考えています。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
この制度運用に関しましては厚生労働省の方でもかかわることでございますので、御答弁は結構でございますが、是非、厚生労働大臣、こちらの方もよろしくお願いしたいと思います。
次の質問に入らせていただきますが、この戦略の中では、先ほども申し上げましたが、自らの能力を発揮できる社会の実現を目指すとうたわれておりまして、こういった社会の実現にはやはり教育が大きくかかわってくるかと思います。働くということは、ただ単に生活のためだけではなくて、自分自身の可能性や個性を発揮して生かしていく場である、そういったような考え方、大目的を持って自分たちの進路、方向性を決めていけるような、そういった教育が必要であると思っております。
そこで、文部科学大臣にもお伺いしたいと思いますが、これまで文部科学省におかれましても、職業体験やキャリア教育、こういったものを活発に展開していただいておりますが、私は昨年、文部科学省の専修学校を活用した職業意識の啓発推進事業、これの一環といたしまして、鳥居徹也さんという方が授業されておりますフリーター・ニートになる前に受けたい授業、この授業を視察させていただきました。この先生はメディア等でも取り上げられておりますので御存じの委員の方も多いかと思いますが。
この先生の授業内容でございますが、これは、フリーターと正社員の生涯賃金の差、そのほか、健康保険のないフリーターが風邪を引いたらどのぐらい診療代が掛かるのか、こういった具体例を出しまして、クイズ形式で、子供たちに関心を持ってもらえるような、また、子供たちを楽しませながらこういった講演をされておりました。
この授業は、ただ単にフリーター、ニートの現状を訴えるだけのものではありませんで、働くことの意義や自立することの意義、また、この先生御自身のサラリーマン時代の自分の失敗談を通して、先ほども申し上げましたが、働くことの意義、自立することの意義、こういったことをこの授業を通して訴えられておりました。
私も、正直、最初は学校の中でこのような授業が必要なのであろうかという少し疑問もあったんですが、この先生の授業を受けまして、また生徒の感想を聞きましたときに、こういった教育も必要であるなという、感じることがありました。
それは、中学生の感想でありましたけれども、私は将来フリーターになろうと思っていましたと、フリーターは楽しくて自由に仕事ができる、そう思っておりましたと、ですので、今日先生の話を聞いて自分の進路、方向性をもう一度考えてみようと思いました、こういった感想があったり、また中には、自分はこれからどうしていったらいいか分からない、半分あきらめていましたと、でも、努力すれば今からでも間に合う、そういうことが分かりました、こういった声が割と、割とといいますか、大半を占めておりまして、私も驚いたんですけれども。
やはり、先ほども申し上げましたが、生きる方向性を決めるような、仕事の面でももちろんですけれども、こういった教育が今大変に重要ではないかと思っております。そういった意味でも、引き続き文部科学省におかれましても、能力発揮社会、この実現に向けた教育、大変重要かと思っておりますので、今後どのように取り組んでいかれるのか、決意も含めまして、文部科学大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 先般、国会でお認めをいただいた改正教育基本法には、教育の目標というのを御承知のように書いておりますね。その第二条に書いております目標の第二項に、正に今先生がおっしゃったことが書かれているわけです。個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を養い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うことと。これを、いずれ学校教育法を改正し、そして指導要領の中に、今もそれは既にあるわけですけれども、更にしっかりと書き込んでいくということになると思います。
具体的には、今おっしゃったような、働くということの意味、そして、損得勘定だけで言えばいけませんけれども、フリーターやニートでやっていくということとの随分な経済的な違いが出てくるということ、今おっしゃったような、こういうことなども教えなければいけませんし、同時に職場の体験をして働くことは楽しいんだということも学ぶ必要がありますし、例えば、高等学校などに私は拝見に行ったんですけども、工業高等学校なんかだとみんな目が輝いていますよ。そして、会うと必ずあいさつをしますね。一般の高等学校と違います、かえって。
そういう教育をやはりしていくということが非常に私は大切だろうと思いますが、ただ一つ注意をしておかなければいけないのは、私は、フリーターになりたいと言われるのはやっぱりちょっと困るんですよ。しかし、現にフリーターである方、ニートである方がすべて悪いという感覚を持ってやっぱり接しない方がいいと思うんですね。いろいろ仕事を自分でやったけれども、どうも仕事に合わなくて、次の定職を見付けるまではフリーターでつないでいるという人もいるわけですし、それからニートも、ある仕事を見付けて一生懸命やったけれども、しばらく次の仕事を見付ける間は職業にも就かないし学校にも行かないという方もいる。人それぞれやっぱりあるわけですから、そういう方を許すだけの経済規模に日本はなっちゃっているということなので、個人の価値観に係るところはやはり誘導して直していくのが必要なんで、頭からニートやフリーターが悪いという感覚でやりますとやはり少し私は間違ってくるんじゃないかという気がしておりますから、そうならないように子供のころからやっぱり教えていくということを重視をしていきたいと思います。
〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
中高生におけるキャリア教育の重要性ということで私もお話しさせていただきましたが、大臣も現場の方に行かれて子供たちの様子も見ていただいたと伺いました。是非、関連の大臣の皆様もこういったキャリア教育、職業体験、こういった現場でまたどういうことを進めていけばいいのか、現場に行きますと様々工夫をしたりされているところも多いかと思いますので、是非そういった意味でも現場に行っていただいて、また先ほども申し上げましたが、中高生中心としたキャリア教育の充実に更に取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
続きまして、また大田大臣の方に質問させていただきたいと思いますが、この戦略の中で生産性の向上と最低賃金の引上げについて盛り込まれております。この戦略の中では、中小企業等における生産性向上とともに最低賃金を引き上げるための取組を推進するということでございますが、これは、生産性の向上が見られたら後追いで最低賃金を引き上げるという、そういったことなのか、今回のこの戦略の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
現状においては、我が国の最低賃金は世界の先進国の中でも低位にありますし、生産性の向上がそういった効果が見られてからでは、最低賃金を見直すということでは遅いかと思っております。
そういった意味で、この賃金の底上げについて、喫緊の課題としてこの成長政策と同時進行で、同時並行でしっかりと進めていくべきであると思いますけれども、御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(大田弘子君) 中小企業の底上げ戦略は、生産性の向上とともに最低賃金を引き上げてまいります。いきなり最低賃金だけを引き上げますと、中小企業には大きな打撃になります。生産性向上と併せて取り組んでいきたいと考えます。これは、産業政策と雇用政策を一体的に運用する試みになります。
今後の方針につきましては、政労使の円卓会議で合意形成を行いつつ決めてまいります。生産性向上を踏まえながら最低賃金を引き上げていくということで取り組んでまいりたいと思います。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
ちょっと時間の関係で詳しい政策等はちょっと伺う時間がないんですけれども、いずれにしましても、先ほども申し上げましたが、この産業政策と雇用政策、これを一体的に運用、一体的に進めていくことが重要でもあると思いますので、厚生労働大臣、これもう答弁結構でございますが、今私が申し上げたことも踏まえて、是非とも今後検討、審議進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、今回の底上げ戦略の直接的な課題ではございませんが、厚労大臣にお伺いしたいと思いますが、この雇用問題の一つの課題といたしまして、正規社員の長時間労働が挙げられております。家庭生活の充実、また地域社会への様々なかかわり、貢献、また自己啓発など、こういったことを可能とするような仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスの推進が重要であると思っております。このワーク・ライフ・バランスの推進がひいては雇用する企業にもプラスにつながることになると思いますし、成長力の底上げにもつながると考えております。
今後、どのようにこのワーク・ライフ・バランスを推進させていくのか、この取組を大臣の方にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ワーク・ライフ・バランスの推進、これはもう委員御指摘のとおり、多角的に非常にいろんないい効果が生まれるというふうに考えております。まず第一に、何といっても家庭の生活が充実したものになるでしょう。そうしますと、先ほど来話のありますように、子育てを夫婦、お父さん、お母さんで共同してやるというようなこともできますでしょうし、また地域への貢献、いろんな活動もできるでしょう。さらにはまた、自己啓発というような時間も生み出すことができるだろうというようなことで、様々に効果があることでございます。そういう意味合いで、私ども、今年度の施策におきましても、いろいろとこの長時間労働の抑制を始めとする労働環境の整備を行おうとしているところでございます。
五つばかりちょっと触れますが、第一に、法定割増し賃金率について、これは中小企業の皆さんには配慮しつつこれを引き上げるということで、労働基準法改正案を今国会に提出をいたします。
それから二番目に、時間外労働の削減に積極的に取り組む中小企業に対する助成金を創設いたします。
それから三番目に、限度基準告示におきまして、一定時間を超える時間外労働をできるだけ短くするように努めるということでの、これまた法律の改正を行うわけでございます。
それから、労働基準監督署による重点的な監督指導の強化を行います。
それから最後に、労働時間等設定改善法に基づく労使による取組の推進等を図りまして、いずれにせよ、長時間労働の抑制に取り組むことといたしております。
以上でございます。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
今るる取組を御紹介していただきましたが、これもやはり企業の皆様、また社会全体の意識変革がまず重要にもなるかと思いますので、そういった意味でも是非、厚生労働省としましてもリーダーシップを発揮していただいて、この意識変革、まずそこからも進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
大田大臣に最後お伺いいたしますが、この戦略は平成二十年度から本格的に実施すると伺っておりますが、今抱える様々なこういった課題がございますので、少しでも可能な限り早く施策を講じていくことが重要であると思っておりますが、この戦略のスケジュール、見通しについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) 政労使の円卓会議は、三月中にも設置し、推進体制をつくります。その上で、十九年度に本格実施への準備とともに先行的な取組を行います。例えばジョブ・カードにつきましては、円卓会議の下に構想委員会をつくりまして、準備の整った業界や企業から先行プロジェクトを実施することといたしております。そして、二十年度に本格実施いたします。
戦略全体として、原則として三年間に集中的に取り組むこととしております。
○鰐淵洋子君 済みません、重ねての要望になりますが、少しでも早く、前倒しできるものは早急に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、視覚障害者の方に対する支援について質問させていただきたいと思います。
先日、視覚障害者の方に私がお会いしましたときに、自分の点字の名刺をその方にお渡ししました。しかし、その方がおっしゃいましたのが、せっかく名刺をいただきましたが私は点字が分からないんですということで、済みませんということでその方がおっしゃいまして、これまでも視覚障害者の方の中で点字が利用できない方は多いとは伺っておりましたが、今回改めて、そういう方々にどういった支援が講じられているのか今回質問させていただきたいと思いました。
そこで初めに、この視覚障害者の方の人数と、またその視覚障害者の中で点字を利用できる方の人数を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中村吉夫君) お答え申し上げます。
厚生労働省が平成十三年六月に実施をいたしました実態調査によりますと、我が国におけます視覚障害者は約三十万人でございます。その中で点字ができる方は、およそ一割に当たる三万二千人と推計しております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。点字を利用できる方は全体の約一割ということでございました。
私たちの日常生活の中で書面や印刷物から情報を得ることが多いのですが、新聞や書籍からは社会情勢や生活にかかわること、またそのほか公共料金の請求書、通知書、また銀行の通帳、医療情報、こういったプライベートにかかわることなど、書面から瞬時に私たちは情報を得ることができますが、それに対しまして視覚障害者の方は、まあすべてに点字が付いているわけでもございませんし、また点字をできる方も本当に少ないということで、こういった方々への情報収集、これが大変に今困難な状況に置かれているのではないかと思います。
今の言い方で言いますと情報格差、これがあるんではないかと思っておりまして、こういった方々への、視覚障害者の方々への情報支援が今どのようになっているか、現状を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中村吉夫君) 点字を習得されておらず、利用できない視覚障害者の方につきましては、残存視力能力の程度やあるいは利用の目的等に応じまして、音声や拡大文字など、様々な方法により情報を入手されているところでございます。加えまして、視覚障害者用のポータブルレコーダーなど情報支援機器を有効に活用することで、手に入れることのできる情報の幅が広がり、利便性が向上しておると認識しております。
情報支援機器につきましては、障害者自立支援法の地域生活支援事業の一つでございます日常生活用具給付等事業におきまして、市町村の判断において給付されておるところでございます。平成十六年度の給付実績について見ますと、視覚障害者用ポータブルレコーダーにつきましては七千三十八件、それから視覚障害者用活字文書読み上げ装置につきましては四百五十五件、視覚障害者用拡大読書器につきましては三千八百九十九件というふうになってございます。
さらに、十八年度の補正予算におきまして、公的機関に情報支援機器等の整備を緊急的に行う特別対策を十八年度から二十年度にかけて講じることとしております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
今、情報・意思疎通支援用具、こういったものが視覚障害者の方に給付されるということで御紹介していただきました。
今日、資料をお配りさせていただいておりますが、この主な支援機器をこちらに紹介させていただいております。
上の方がポータブルレコーダー、これは録音図書を聞くための、再生するための機械、再生機でございます。その下の機械が活字文書読み上げ装置というもので、この右下の二センチ四方のバーコードに約八百字程度の情報が記録されておりまして、このバーコードをこの装置に差し込むことによって音声で再生ができる、こういった機器だと伺っております。
先ほども申し上げましたが、ほとんどの方が点字をできない。そういった中で少しでもこの情報収集、視覚障害者の方がスムーズにできるようにしっかりとこういった支援事業を周知していくことが大事かと思っております。なかなかこういった支援事業や支援機器があるということを御存じでない方が多いと聞いておりますので、例えば市町村におきまして研修会なり展示会なり、こういった支援がある、こういった支援機器がある、こういったことを是非ともきめ細やかに皆様にお知らせして、そういった取組を進めていただきたいと思っておりますが、厚生労働省の取組をお伺いしたいと思います。
○副大臣(石田祝稔君) お答えいたします。
視覚障害者が情報を取得する際には実際に触れて体験することが重要であり、議員から御指摘のあった福祉機器展等につきましても有効な取組の一つだと、このように考えております。そのため厚生労働省といたしましても、一つは、視覚障害者のための情報支援機器の展示会であるサイトがある、これは去年第一回を開いたわけですけれども、こういうこととか、全国規模で定期的に開催されている国際福祉機器展、こういうものの関係団体の実施する展示会に対し後援等を行っております。
また、日々、情報支援機器に触れる場として、一つは全国の点字図書館等における情報支援機器の展示や体験、そして二つ目にはIT関連施策の総合サービス拠点である障害者ITサポートセンターにおける指導等を通じて、様々な情報支援機器等の情報提供にも努めていっているところでございます。今後もこうした関係団体や自治体等と連携を図りながら、視覚障害者が情報支援機器を体験できる環境づくりに努めてまいりたいと思っております。
委員がいろいろと御提案いただいていることも大変大事な観点だと思っております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
是非、この視覚障害者の方への情報格差を解消する取組ということで、大臣、是非また先頭に立って頑張っていただきたいと思いますが、できましたら決意を一言お願いいたします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 本当に鰐淵委員が最初に御自身の体験を通じて、点字を読める方が実は視覚障害者の中に割と少ないんだという御指摘をいただきました。我々も、その点もう一度改めてその事実を再確認して、これからこのような方々に対する言わば情報のギャップを埋めていく、そういう努力をしないといけないということを心から思った次第でございます。
各般の施策については今副大臣それから部長からお答えしたとおりでございますが、私からは、関係省庁や関係機関と連携しながら情報バリアフリーの促進に努力していきたいということを申し上げて決意表明とさせていただきます。
○鰐淵洋子君 力強い御決意、大変にありがとうございました。
続きまして、高市大臣の方にお伺いしたいと思いますが、この障害者の方への公共窓口での対応ということでお伺いしたいと思います。
やはり、今申し上げました視覚障害者の方も様々状況ございますし、そのほかにも様々障害をお持ちの方がいらっしゃいます。そういった方々が公共窓口において適切なサービスが受けられるように、そういった取組を是非とも推進していただきたいと思っております。
公共サービス窓口における配慮マニュアル、こういったものも作成されていると伺っておりますが、改めてこの公共窓口におきます適切な対応を要望したいと思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(高市早苗君) 内閣総理大臣が本部長を務めております政府の障害者施策推進本部におきまして、この今御紹介いただきました配慮マニュアル、これは公共サービス窓口における障害者の方への対応のマニュアルなんですが、これを作成しまして各窓口の対応円滑化を推進しております。
それから、窓口利用に当たりましては点字に加えましてスーパーコード、SPコードでございますね、この情報読み上げ等の新技術が開発されておりますので、内閣府の方では障害者週間の中でこの広報、スーパーコードについては広報をさせていただいております。
それからまた、障害者施策推進本部の下に設置されました課長会議がございまして、ここで各省庁に対して情報提供を行っております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
次に、官房長官にお伺いいたしますが、昨年の十二月に国連総会におきまして障害者権利条約が採択されました。障害を理由とする差別を禁止して、障害者に他者との均等な権利を保障することを義務付ける条約でございます。この条約を早期締結すべきであると思いますが、政府の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、昨年の十二月の十三日に国連の本会議におきましてこの障害者権利条約が採択をされました。
我が国は起草段階からかなり積極的にかかわってまいったところでございますけれども、今後は国内で、例えばこれは障害者基本法であるとか学校教育法であるとか、こういった法律、国内法、必要な措置をとらなきゃいけないということで検討を行っているところでございます。
これを早期に、できる限り早期に締結できるように政府としても検討を進めてまいりたいというふうに思っておりますし、今、国内の関係省庁、関係各課を構成員といたしまして障害者権利条約に係る対応推進チームというのをつくって、ずっとこのところこれを検討をしているところでございます。この推進チームを中心に、早期締結に向けて頑張っていきたいと思っております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。是非、障害者の方の権利保障につながる重要な条約でございますので、是非とも早急な対応をよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、教育関係で質問させていただきたいと思いますが、最近、昨今、いじめや不登校、また教育格差などの問題が、そういった課題が、私たちの党にもそういった声が届けられておりまして、私たちとしましてもしっかり現場に行かせていただいて、またお子さんや学校の先生、また積極的にそういった問題について対策を講じている自治体、そういった方々の視察を重ねてまいりました。そうしまして、緊急性の高い課題に絞りまして、緊急提言・現場からの教育改革、こういったものを党としてまとめさせていただきました。
その中で、この一つの項目でございますが、教育の機会均等のための公教育の充実ということで、幼児教育の負担軽減も含めたこういった取組が重要ではないかということで取り組ませていただいております。これに対する大臣の御見解ありましたらいただきたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 三つ子の魂百までと言いますから、小さなときに基本的なことをしつけるということは極めて大切なことだと思います。
今、小学校の前は、いわゆる福祉施策としてずっと行われてきた保育と、それから教育として、幼児教育として行われてきた幼稚園とありますが、どうも、私も現場を幾つも見に行きましたけれども、実態的にやっておられること、子供に接しておられることはそんなに違わないんじゃないかという気もしますね。そういうことからすると、負担の問題のバランスその他がありますから、この幼児教育について義務教育化しろという御意見が出てくるのは自然の流れだろうと思います。
ただ、これを義務教育化するということは、これはもう申すまでもないことですが、膨大な国民負担が掛かりますね、義務教育は無償と憲法に書かれているわけですから。ですから、去年の七月七日に閣議決定をしたいわゆる骨太の方針と言われるものの中では、幼児教育の将来の無償化について、今申し上げた歳入改革と併せて、財源、制度の問題を総合的に検討しつつ、当面は就学前の教育について保護者負担の軽減を図るなど幼児教育の振興を図るということを内閣として決めております。
したがって、税制改正ができ上がるまでは幼児教育の振興を図るということだと思いますし、税制改革はとかく福祉、年金ということを中心に論じられがちでございますが、厚生労働大臣が手を挙げるときは文科大臣も必ず手を挙げさせていただきたいと思っております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
その教育の機会均等のための公教育の充実ということで、一つ課題といたしまして、授業が分からないからもう学校に行けない、こういったことが理由で不登校につながったりとか、また先ほども申し上げましたが、この教育費の負担が掛かるということで、これが子育てしていく上での一つの阻害要因といいますか、そういった声もございますし、いろんな意味でこの審議を進めていかなければいけない課題もあるかと思いますので、また具体的に委員会の方でも質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、放課後子どもプランについてお伺いいたします。
この放課後子どもプランは、子供たちの安全、地域で子供を育てていくという観点から大変すばらしい取組であると期待をしております。そこで、文部科学省におかれましては、この放課後子ども教室、来年度は一万か所実施ということで、しかし全国の小学校は二万強ですね、二万校以上ありますので、更なるこの全国展開に向けた拡充が必要であると思っておりますが、御見解をお伺いいたします。
○副大臣(池坊保子君) 平成十六年度から、私たちが通称居場所づくりと言っておりました子ども教室推進事業の後、その強化と拡大でこれをいたしております。しっかりと予算も拡充いたしまして、六十八億二千万計上しておりまして、これはどういうのに使うかと申しますと、例えば学習アドバイザー、それからコーディネーター、安全管理員などの謝礼でございます。それから、新たに催すための教室において設備費、これは八億五千万、コーディネーターの育成に一億五千万等を計上しております。
ただ、今おっしゃいますように、計画は一万か所というふうに思っておりますけれども、これは地方公共団体の財政措置でございますので、三分の一都道府県は持っていただいて、市町村が三分の一持っていただくということです。ですから、なかなか今財政が県などのレベルでは難しくて、これができないというところもございますので、これは社会総掛かりの教育ということが求められております。放課後、子供たちがきちんとした居場所をみんなの力によってつくっていくということは大変必要なことだというふうに思っておりますので、教育委員会を通しまして周知徹底を図るとともに、都道府県、市町村レベルで是非これをやっていただくように御協力をいただきたい。何しろ子供に掛けるということを最重要課題に県も市もするようにということで、私どもは力強く今教育委員会等々に働き掛けているところでございます。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
同じ観点から、このような取組を是非中学校でも行ってはどうかと思っております。中学生になると様々個人の意思も出てまいりますが、この放課後の子供の安全、地域で子供を育てるという観点からも、中学生でもこういった展開もあってもいいのではないかと思っておりますが、御見解をお伺いいたします。
○副大臣(池坊保子君) 取りあえず今小学校一万か所ということですけれども、まだ一万か所に達しておりませんので、私は中学校でも是非やるようにというふうに、それぞれの地域の事情に応じて是非してほしいというふうに進めて、推進しております。
おっしゃいますように、今中学校が一番いじめだとか校内暴力があるんです。お母様方も、子供が中学校になったから働こうかしらんとお思いの方もいらっしゃいます。多感な中学生の居場所をしっかりと確保することは、いじめやまた校内暴力などを防ぐことにもなるというふうに思っておりますので、私は是非これは中学校にも強力に働き掛けていきたいというふうに思っておりますし、二十年度からは更にそれを進めたいと思っております。
十八年度においても、今中学校で活動しておりますのは四%ございます。それから、中学校の生徒のみを対象としているのは一%ということですが、一%というのはいかにも少ないというふうに思いますので、これは倍増していきたいと思っております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
最後に、日中関係について質問させていただきます。
今後の日中関係、より良い関係を発展させるためには、次の世代を担います青年の交流が私は重要になってくるかと思います。今後、政府を挙げまして、積極的にこの大型の青年相互の交流を進めていただきたいと要望させていただきたいと思います。官房長官にお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 日中関係でこの青少年の交流というのが極めて大事だということは御指摘のとおりだと思っておりまして、昨年から二十一世紀交流事業ということで、高校生を中心として、短期、長期、たくさん中国からおいでをいただき、またこちらからも高校生に行ってもらうということでございます。
今年はちょうど国交正常化三十五周年でもございますし、日中文化・スポーツ交流年というのが今年に当たっております。そういう中で、東アジア・サミット参加国を中心に、今後五年間で毎年六千名の青少年を招く交流計画を実施していくことになっておりまして、中国につきましても最大限の規模で交流を進めて、相互理解に基づく未来志向の関係を築いていこうというふうに考えています。
昨年は約千名、先ほど申し上げたように青少年を日本に招いたわけでありますけれども、今年はこの数の大幅な増加を図っていこうと。昨年は、約四十名ぐらいの方は中国から高校生で一年間の予定でホームステイで各地で滞在をしていただいています。私の地元でも一人、県立高校に預かりながらホームステイでやっておりますけれども、私自身が高校のときにアメリカに一年ホームステイでいましたが、引き続き、そういうつながりが非常に大事な二国間関係にもつながっていきますので、ホームステイでも是非たくさんの中国の子供たちを預かりたいというふうに考えておりますので、また、ホームステイをやってくださる方がたくさんいないと、なかなかいい先を探すのも苦労しているものですから、是非御協力をいただきたいというふうに思います。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
最後に、冬柴大臣に質問させていただきます。
これから人の流れ、物の流れ、これを更に発展させていくために、そのかぎといたしましてこの羽田空港と上海の虹橋空港、このチャーター便の就航が大変に期待されているところでございます。今後の見通し、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 上海の虹橋空港は上海市街から十二キロという至近の距離にありまして、十数キロの羽田と虹橋の間で飛べば、日中交流は金浦と羽田のようにすごく乗客の便利にも資することができますし、大いに伸びるだろうというふうに期待しています。そういうところから、昨年、安倍総理が就任されて初めての訪問国を中国と定めまして、十月の初めに中国に行かれて温家宝主席とお会いになったときにこの話を、今の話をされまして、両者でそれは前向きにやろうという合意をされたわけでございます。
しかしながら、大変難しい問題がある。それは、虹橋は国内線専用であるということから、CIQという、税関とか諸施設を全く取り払ってないということとか、上海の発展でその国内線も大変に立て込んでいるというようなこと等が、障害があったわけです。しかしながら、これは前向きにしようということで、私も十二月の初旬に中国へ行きまして、楊元元民用航空局長と会いまして、この問題は首脳間で約束したことなんだから、これは早急に実現をして、今年は、先ほどのお話にありましたように日中国交三十五周年の佳節を刻む年でもあり、日中の文化交流年でもあるし、そしてまた上海において行われる博覧会ですか、万国博覧会等も射程に入れれば絶対これは必要だということでいたしましたところ、いろいろ困難があるけれども頑張ります、任してくださいというような話までしていただきました。
その後も、今月七日、八日に、私の方から審議官を中国へ派遣しまして、この問題についても協議をしていただきまして、向こうも本気になってやるという意思があるようでございまして、できる限り早期に実現したいと考えているところでございます。
○鰐淵洋子君 終わります。ありがとうございました。
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