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○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
 参考人の皆様、本日は朝早くから国会にまでお越しくださいまして、また貴重な御意見をちょうだいいたしました。心より感謝を申し上げます。大変にありがとうございました。

 それでは、まず初めに古山参考人の方にお伺いをしたいと思います。
 今日は、現場の御経験から御指摘、御提案をいただいておりまして、将来像ということでこのように御説明もいただきました。極めて、現場からの御意見ということで大変重要な御指摘でもありますし、私たち公明党といたしましても、やはりこの現場からの改革、この現場、学校もそうですし、地域、また教育委員会含めまして、どう活性化させていくか、そこが重要かと思っております。

 その点で、是非、先ほども限られた時間の中でございましたので、参考人のまた御経験、様々経験されてきていらっしゃるかと思いますので、その現場で経験されたことを踏まえた上で、時間内で言い足りなかったこともあるかと思いますので、是非とも再度この教育行政の課題につきまして御意見、御要望をちょうだいしたいと思います。

 それと併せまして、参考人は不登校の子供にもかかわってこられたと伺っておりまして、是非この不登校児対策、これも先日、私たちの山下委員も政府に対しまして質問をしているところでもありますけれども、やはり小中校、今十三、四万人いるということで、これも大きな一つの教育課題でもあるかと思っております。この不登校児に対する要望、御意見も含めまして、これも併せて御意見ちょうだいしたいと思います。

○参考人(古山明男君) 教育行政の在り方、それから不登校についてということなんですけれども、先に不登校の方からしゃべらせていただきます。

 自分でたくさん不登校の子供たちと接してきまして、一言で言ったら、立場も言葉も失っちゃった人たちと。原因いろいろあるんですけれども、では何でおまえは学校行かないんだとこう言われる、それでますますもうどうしようもなくなっていく。それで、こういうのに付き合っていまして、じゃ学校はどうしているんだというと、もちろん学校の先生たち一生懸命やっているんですけれども、結局、学校の仕事の枠の中では学校に何とか来させる以外のことはできないんですね。ほかの試みもなされていますけれども、大筋そうなんです。また、来させても、そういう、こういう感じになっちゃった子供たちに、じゃ特別の手どうやって伸ばすかというと、人員もクラスもいろいろ限られていまして、できること本当に少ないんですね。

 それで、私、本来義務教育というのは、すべての親御さんに教育義務、課しているわけです。また、憲法二十六条の一項はすべての人の教育を受ける権利あると言っていますんで、単に在籍したから教育を受けたんだと、それやっちゃいけないと思うんですね。今学校が、在籍したから教育したんだと、そういうふうになっちゃっているのは、これは正に官僚運営の弊害じゃないか。特に書類の方にばっかり行っちゃうと。実質その子のために何できたのかという、そこから配慮しなきゃいけないと思うんです。

 これ最大の問題点が、やっぱり僕は法律にあると思うんです。法律が就学義務定めているんですね。教育義務じゃないんです。憲法と教育基本法、現行法も改正案もこれは教育を受けさせる義務というふうになっているんです。ところが、学校教育法でがらっと就学義務になるんですね。そうすると、ここで、本来はどんな人にでもちゃんと教育を保障してあげなきゃいけなかったものが、学校に行かせる義務に変わっちゃう。ところが、現実の学校というのはいろんなこと起こるわけですわ。それは人間同士の関係ですから、人間同士で反目、対立、いじめ、少なくすることはできるけれどもゼロということは無理なんですね。

 実は、不登校のいろんなお子さん接しまして、何が原因か、正直申し上げまして分かんないです。子供がただただこうなっちゃってるだけなんです。いろんなアンケート調査は出てきますけれども、私はあれ信用しないです。私が会った子供たちは、言葉がなくなっちゃった子供たちなんです。自分の立場も言えない。もう、おまえときたら、おまえときたらとこう言われちゃったもんで、ああと、こうなっちゃっているだけなんですね。それで、そのときは原因分かんないから、ぽろっと勉強がとかだれ君がとか、こういうことを言うから、じゃ学力不振じゃないかとアンケートに書いたり友達とのもつれじゃないかと書いたりするんですけれども、これ大体子供が安定してからやっと理由が分かるというのが普通なんです。これ、数か月ないし年単位で時間掛かります。安定してきますと、いや実はあのとき先生にこんなこと言われて、それを更に友達にからかわれて、もうとてもいられなかったんだと。ところが、子供がそれ言えるようになったときというのは、もうそれとやっていけるようになったときなんですね、子供が。我々のフリースクールでやっていた仕事は、子供が何とかしゃべられるようになるところまでサポートしてあげる、君の味方もいるんだという。

 ところが、こういう実態に関して学校の方は結局調査なんかやっても原因もよく分からない。それから、私の見るところ、この不登校の原因というのは本当に様々です。これ、どう見てもこれは家庭の方に問題あると。親子で完全にもつれちゃっていて、これは専門家が扱うしかしようがないケースもあります。

 それから、どう見てもこれは学校の方が悪いと。先生がよく犯人捜しやるんですね、クラスの中で。ところが、実際の学校の中は三権分立ありませんので、ぬれぎぬ着せちゃうことあったりするんです、だれか、おまえだろうって。ぬれぎぬ着せられた生徒はもう、ちょっと立場なくなっちゃう、学校行けなくなっちゃう。あるいは、転校生がただ美人で成績がいいという、それだけでいじめ食っちゃうなんていう、そういうこともあったりするわけです。

 そういう実態というのを、これなかなか調査にも応じない。ただ、原因は分かんないけれども何したらいいかははっきりしているんです。とにかくその子の味方があるんだってまず伝え、君の居場所もあるんだと伝え、そうして元気になってきたら、そういうことはまずいんだよとか、こういう考え方もあるよとか、非常にきめ細かくやっていくわけなんですね。したがって、不登校の対策一本ということは絶対ないと思います。

 私もやっていて痛感したんですけれども、自分のやり方ありました。合っている子と合っていない子いました。行政の方がいわゆる教室、昔は適応指導教室というのをつくっていましたけれども、大体利用者一割なんですね。最初、こんなの駄目じゃないかと僕は思ったんですけれども、のぞいてみたことありましたら、ミニ学校みたいなきちんとしたのをつくったんだけれども、これが合っている子供もいるなと本当に感じました。そういうものもつくってもらわなきゃいけない。だけど、私が見た、特に私みたいな民間の方に来る子供たちというのはそういうのじゃどうしようもなかった。

 それで、不登校の一括解決というのはあり得なくて、いろんな、学校が吸収する、あるいは家庭の方、家庭教育で何とかやっていく、NPOみたいなところに学校でもつくってもらう、あるいは私塾でもいいんじゃないかと。とにかく法律の方から発想するんじゃなくて、義務教育なんですから、とにかくその子供が権利持っている、親御さんも教育の義務を負っているわけですから、その実情の中で何ができるかと、それができるような法制構造をつくって、しかも多少なりとも予算も付かなきゃいけないと、そういうふうに思っております。

 それから、教育行政。最大の問題は、人事権と予算権を持ったところがアドバイスしているんです。でも、アドバイスがアドバイスじゃなくて命令になっちゃうんですね。

 諸外国、ヨーロッパなんか見ますと、例えばオランダなんか、本当の援助機関というのはこれを、予算とも人事とも全く関係ない。それから、教育委員会とそういう第三者機関が交流してちゃいけないんですよ。全く人事的にも独立採用の、そういう本当の第三者機関つくらないと、評価も難しい、本当の姿もさらけ出してくれない、命令になっちゃう。

 そこで、今は教育委員会は第三者機関じゃないんですね。学校の上司なんです。責任負っています。学校の不祥事はそのまま教育委員会の不祥事なんです。こういったところで隠ぺい体質が起こるのは当たり前で、これにいかに掛け声掛けたってしようがないと思うんですね。でも、教育委員会には教育委員会の大事な仕事があると思うんです。それと、運営にかかわる部分と第三者じゃなきゃできない部分、きちんと分けることだと思っています。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 それでは、四人の参考人の皆様にお伺いしたいと思います。

 先ほど藤原参考人の方からも、地域社会の重要性、この斜めの関係の重要性、お話ちょうだいいたしました。私自身も、やはりこの今子供たちの取り巻く環境、これ、言うまでもなくいじめ、不登校、虐待、学級崩壊、こういった様々な課題が山積している中で、やはりこれは学校だけの、先生だけの問題ではなくて、親御さん、そして教育委員会も含めまして、地域、こういった一体となって取り組んでいくことが地域力を上げていく、地域の教育力を上げていくことが一つの問題を未然に防ぐ方法でもありますし、また、問題が起きたときも早期発見、早期解決につながっていく一つの大きな課題といいますか、ポイントになるかと思っております。

 そこで、先ほど藤原参考人からもこの重要性、お話しいただきましたが、追加がございましたら是非またお話ししていただきたいと思います。

 三人の参考人の方にも、是非、地域における教育力をどのように向上していけばいいか、お考えがありましたらお伺いしたいと思います。

○参考人(藤原和博君) 私は、教育を再生させる一番大事なことがそこだと思っています。ただ、もう一度言いますが、学校を地域に開いても、外にある地域は、これを復興するのはもう莫大な予算が掛かると思いますし、非常に難しいと思っております。なので、学校の中に、学校を核に新しい地域社会を再生していくという方法が取れる。それが今、和田中がやっている地域本部、学校支援組織のチャレンジです。

 先ほど私が、本当は本部人件費に三百万、それから事業費に三百万というふうに申し上げました。もうちょっと細かく言いますと、この本部人件費、事務局長に九十万ぐらい渡したいんです。それだけ仕事をしている人に、スーパーのレジに行かないでこっちで仕事してと。そんなに多い必要はないんです、ものすごくやりがいのある仕事ですから。ですが、やっぱり多少、もうちょっと渡せたらいいなというのが本音なんですね。あと会計の仕事、非常に細かくなります、会計が。二千二百円とか千百円とかあるいはゼロの無償のボランティアの人も全部交ぜて延べ人数で何千人という人が動くわけですから、実数は六、七十人でもですね。そういう会計の仕事。それから、それぞれのプロジェクトで、例えば放課後の図書室を守る図書館長のような仕事の人にも三十万とか、年間ですよ。

 合わせて六百万というのは、大体教員の人件費、一般管理費にしますと半額です。教員一人の半分の予算で六、七十人のボランティアが地域から戦力化できるということなんで、是非これはお考えいただきたいと思います。

 この斜めの関係を豊かにすることでいじめの発見若しくはその後の対処ですね、もっと柔らかな対処です。親には言えない、先生にも言えない、でも図書室のおばちゃんには言えちゃうということがあるんです。

 最後に言いますと、そういうこと、そういう場所を増やすことが保健室をたくさん多様に増やすことに近いんです。第二の保健室、第三の保健室です。和田中では、放課後の図書室が第二の保健室になっていますし、校長室もオープンにしていますから、昼休みの第三の保健室になっていますし、土曜日寺子屋、先生は来ないでお兄さん、お姉さんたちが来ます、第四、第五の保健室になっているわけです。これが非常に大事です。強調しておきます。

○参考人(中嶋哲彦君) お答えしたいと思います。
 地域の役割が極めて重要であるというのは私も賛成です。例えば、先ほどお配りした資料の中で、「日本の教育と基礎学力」、それの百八十二ページをごらんいただきますと、犬山市では算数の副教材を市で作る際に、その原案の段階で保護者の意見も集めています。具体的なゲラができた段階で保護者にお示しして、全教職員にも示していますが、保護者にもお示しして、それについて意見を集めています。その中で、算数では七百件、理科のときは千件を超える意見が集められています。そこには保護者の意見も来ているんですね。

 この取組はどういうことかというと、学校教育を保護者と教職員と一緒になってつくっていこうということです。これまで、ややもすると、教育内容というのは学校にお任せで、学力、学力。親は学力向上させてくれとは言うんだけれども、具体的に学力って何なのか、子供が一体何をそこで学んでいるかというのは知らない。その中で抽象的に学力を論じていた、抽象的に学力が低下していると心配している。それは良くない。具体的に子供たちが何を学んでいるのかということを知っていただく、そして学校教育づくりに参加していただく、そして地域が学校を支えていく力を持っていく、そういう意識をつくっていくためにこういう取組をしました。その意味でも、私どもは地域というのは大事だと思っています。

 ただ、今回の教育基本法改正案、政府案の中には家庭や地域についての条項が入っています。ただ、私ども、ここに非常に危惧を持つのは、学校や地域の役割が規範主義的に定められていて、地域はこうあらねばならない、家庭はこうあらねばならないという定め方をしていることです。そのことによって、かえって地域、学校において自主的に具体的な目の前にある問題を取り組むよりも、むしろそこに、規範に定められていることに集中してしまう。そういう、かえって地域と学校を切り離されていくということが起きてしまうのではないかということを大変心配しています。

 以上です。

○鰐淵洋子君 先ほど質問させていただいたこの地域における教育委員会の在り方、それを含めまして、是非、高倉参考人、古山参考人からも御意見がありましたらちょうだいしたいと思いますが。

○参考人(高倉翔君) ありがとうございました。
 地域の教育機能の向上をどうするかというようなことで、実は私、今朝大急ぎでまた復習のために持ち出しましたけれども、平成十年に中央教育審議会が「今後の地方教育行政の在り方について」という答申を出し、その最後のところの第四章は「地域の教育機能の向上と地域コミュニティーの育成及び地域振興に教育委員会の果たすべき役割」と、教育委員会にこれを振っているんですね。

 その中をこれ少しよく読んでみますと、教育委員会はいろいろな役割を果たしておりますけれども、よく教育委員会は学校委員会だというような言い方もなくはない。つまり、余りにも教育委員会の働きのうちの相当な部分を学校教育というものに集中して、それ以外にいろいろと文化、スポーツ等々幅広い分野を所管しているにもかかわらず、なかなかそちらの方に力が行かない。それはスタッフィングの問題もあるかもしれません。それから、一方からいうと、首長部局もやはり文化、スポーツ等々に関しては相当な施策を講じている。そういうふうなところで、この答申では、そういった教育委員会あるいは首長部局、それ以外に地域の様々な団体をどう連携させるかというような、そういうネットワーキングというようなことの仕掛けが重要だということを指摘しているわけでございます。

 ただ、問題は、そういった仕掛けをだれがどうやったらいいのかというふうなことについてはなかなか名案が出てきてないというようなことがこの答申では見られるんではないか。ただしかし、この答申の第四章で高らかにやはり教育委員会の役割として、地域の協力、教育力を高める役割ということをうたっておりますので、その意味で、教育委員会がもう一度そういった役割を果たすという考え方に戻って、そしてやはり努力をしていただきたいと、こういうふうに思っております。失礼いたしました。

○参考人(古山明男君) 地域とのつながりをつくるのに二つタイプあると思います。一つは、比較的コミュニティー意識、地域意識の残っている、端的に言えば田舎みたいなところで、これは従来型の共同意識、これを高めていって子供を引き受けていけばいいです。

 ところが、都会型になってきますとこれ非常に難しいんですね。で、これ外国の例をいろいろ見ますと、カナダの例なんか見たんですけれども、そういう社会に対していわゆる地域おこしの方じゃもう無理だと。そこで、いろんなカウンセラー的なあるいはアドバイザー的なそういう役職を置いて、子育てあるいは教育、社会の何だかんだ、そういうことをやっていく非常に機能的なもので、それに行政も金を出すと。都会に関してはそういうような方向から行った方がうまくいくだろうと思います。

 それからもう一つは、学校の関係なんですけれども、今、部活を学校に負わせているの、これかなり特殊な状況なんですね。ヨーロッパの学校をいろいろ見ましたら、大体部活は社会教育の方に入っているんです。こちらはちゃんと人員も手配している。学校の先生は本当に忙しいんですよ。めちゃくちゃ忙しい。そこへなおかつこうやって審議すると、またあれせい、これせいと、こう行くわけですよね。部活を社会教育の方に持っていってあげて先生の負担外してあげたら随分いいし、また子供も一つのところに属していると息詰まっちゃうんだよね。重層的に、こういうところにも属し、こういうところにも属しとやっていく方が子供も楽なんですわ。部活を社会教育の方に移すという、これ非常にいいんじゃないかなと思っています。

○鰐淵洋子君 参考人の皆様、本日は貴重な御意見を賜りまして心より感謝申し上げます。大変にありがとうございました。


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