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○鰐淵洋子君 おはようございます。公明党の鰐淵洋子でございます。
 伊吹大臣を始め皆様、大変に連日ありがとうございます。私は、基本法に関しまして、確認も含めまして本日質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず初めに、少し大きなテーマになりますが、伊吹大臣の方に、何のための教育なのか、この教育観について初めにお伺いしたいと思っております。

 今、教育基本法をなぜ改正するのか、これはもうこれまでも様々御説明があったかと思いますけれども、今、子供たちを取り巻く環境は、いじめ、不登校、児童虐待、学級崩壊など、こういった様々な問題も抱えております。その一方で、高校、大学への進学率も高くなってきておりまして、また、政治や経済の面でも、あらゆる面で世界の中の日本、こういった視点も持つことが不可欠な時代になってきております。こういった大きな変化の中で、この教育基本法含めまして、教育の改革が求められていることと思いますが、こういった大きな教育改革を進めていく上で、教育基本法、教育の理念でありますこの審議に当たりまして、私自身、何のための教育なのか、そういった根本目的に立ち返りまして審議を進めていくことが重要であると考えております。

 私自身は、この教育の根本目的、何のための教育なのかという点に関しましては、これは様々皆様も表現、思い等もお持ちかと思いますが、私自身は、やはり子供の幸福のため、また国民皆様の幸福のための教育であらねばならないと思っております。

 また、教育、この言葉はラテン語でエデュカーレ、これは引き出すとか導き出す、こういった意義があるそうなんですけれども、つまり子供たちが持つ可能性を引き出す、また前向きに生きていく、そういった導き出す、こういった意義もあるかと思っております。

 ここで改めて大臣に、大臣御自身が考えます教育観、何のための教育かについて初めにお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊吹文明君) これは、人間百人おりますと百人とも望ましい人間像というのはみんなその人の人生観、価値観によって違うと思いますが、国家という集団を動かしていくためには何か一つのやはり形を作らないといけませんので、私たちは、そこで多数決原則という民主制のルールを使っているということだと思います。

 ただ、理想の人間像というのは、その人の人生観、価値観によって大いに違いますので、自分の考えを押し付けるということにはできるだけ慎重で私はあった方がいいと思いますが、私が考えている何のための教育かということは、日本という国、つまり主権のある日本という国におられる国民や、その他の外国人の方もおられますから、その他の方々が、日本社会と国際社会のルールの中で人間として喜びを持ち、自己の存在を確認し、成長していける基礎学力と規範意識を身に付けていただくことだと思います。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。大変重要な御意見をちょうだいしたと思います。ありがとうございました。

 いずれにしましても、今国民の皆様が教育改革を求められているのは事実でありますし、そういった意味でも教育の理念法でありますこの基本法の審議、今大臣からも大事なお話ございましたが、私自身も子供たちの幸福のため、そういった思いでしっかりとこの審議に臨ませていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 では、続きまして、具体的に質問に入らせていただきたいと思っております。

 この本文の中に、第二条、「教育の目標」の中に、幅広い知識と教養、健やかな体を養う、生命を尊び、自然を大切に、伝統と文化を尊重し、こういったことが明記されております。この基本法の中に、言葉こそございませんが、食育、これも重要な教育課題に挙げられると考えております。

 これは、そのほか家庭教育や生涯教育等にもかかわってくる課題になるかと思いますが、この食育につきましては様々御専門家の方の御意見等もあるかと思いますが、今、日本の社会状況の変化の中で、朝食を取らない若い方が増えている、小中学生も増えているという、そういった報告もございます。この朝食を取らないということは肥満につながるとか、またいらいらするとか、集中力が欠ける、こういった、体だけではなくて精神的な心の部分にも影響してくる、こういった報告もあるところであります。

 そのほか、例えば両親と、家族と食事を取ることによりまして、その場でコミュニケーション、家族や両親と対話を進めることによって、そういったつながり、家族のつながり、それが深まれることもできるのではないかと思っております。

 そのほか、例えばおはしの持ち方とか言葉遣いとか、そういったしつけ、教育の場にもつながるのではないかと思っております。

 また、そのほか、この食材、お野菜とかお米を作ってくれた人、また料理を作ってくれた人への感謝の心、そういったことも学ぶこともできますし、また、しゅんの食材を食べることによりまして季節を感じたり、また地域の特色、大臣の御地元であります京都におきましても、京料理、また京料理を食べることによって、この京都の歴史だったり、この地域の特性、良さを感じることができるように、食育といいましても大変学ぶことが多いですし、またこの食育の意義も大変幅が広くて奥が深いものであると思っております。

 そういった意味で、これは、食育といいますのは、人をつくること、また、ひいては国をつくること、これにつながるような重要な課題と思っておりますけれども、まず、この食育について大臣のお考えをまずお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊吹文明君) 安倍内閣においては食育の担当大臣はこちらでございますので、後ほど是非、食育担当大臣のお話も聞いていただきたいと思いますが。

 私の覚えているのは、両親から、お茶わんに入れてよそった御飯ですね、この中の一粒一粒がみんなお百姓さんの汗の結晶だから、決して食べ残してはいけない、御飯粒一つも残しちゃ駄目だと、食べるだけ御飯をよそってもらうということを子供のころからしつけられまして、今もそれを実行しておりますが、自分の孫などを見ると、なかなかこのごろはそういうことはできていないなと、これは先生がおっしゃったとおりだと思います。

 食べるもののバランスですね、そのためには、学校に栄養士を置いて給食の管理をしてもらっているわけですが、同時に、自分の地元、先生がおっしゃった地元で作ったものを地元の給食に使うと。それで地元の農業の営みが分かる、あるいはまた、物を育てていく苦労というものが分かる。それからまた、日本人はこのごろはもういろんな主食を食べるようになりましたけれども、学校では米飯の給食をしております。そういうことを教育現場で少しずつ、食を通じて人間の生きていくしつけのようなことを守っていける日本人ができるということは大変いいことだと思います。

 全体については高市大臣がお答えになると思いますが。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 今大臣の方からも食育の重要性についてお話ししていただきましたが、先ほど冒頭にも申し上げましたが、この「教育の目標」の中にいろいろ文言が入っておりますけども、食育については、言葉自体は入っておりませんが、この基本法の中にこの食育の意義が含まれていると解釈してよろしいでしょうか。確認させていただきたいと思います。

○国務大臣(伊吹文明君) 先生の御理解どおりで結構だと思います。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 それでは、この食育に関しましては、昨年、食育基本法が成立しておりまして、これを基に基本計画が四月からスタートしているわけですけども、その中でこの教育分野の役割も大変に大きくなってまいりますので、まずちょっと文科省の方に具体的な取組としてお伺いしたいと思っております。

 現在、小学校の学習指導要領には、この食育のことに関しまして、社会科ですと、様々な食料生産が国民の食生活を支えていること、食料の中には外国から輸入しているものがあること、また家庭科では、食品の栄養的な特徴を知り、食品を組み合わせて取る必要があることなどが分かる、そういった形で項目で書かれております。また、同じように、中学の学習指導要領にも、家庭科、理科、こういった形で、また学校行事、こういった中にも明記されているところですけれども、私自身、やはりこの学習指導要領を見させていただきまして、より一層この食育の重要性を明確にして、学校教育の場におきましても、この食育の推進を是非もう少し具体的に、またそして強力に進めていくべきであると思っております。

 この学習指導要領の見直しも含めて、今後どのように学校教育の場でこの食育を進めていくのか、政府参考人の方にお伺いしたいと思います。

○委員長(中曽根弘文君) 政府参考人に申し上げます。
 答弁は的確に、正確に、簡潔にお願いいたします。

○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、学校におきます食育の推進は重要な課題であると認識をしております。このため、現在、中央教育審議会の教育課程部会におきまして、学習指導要領の改訂に向けての審議の中で、一つには学校教育全体での食育の推進の明確化でありますとか、あるいは各教科等におきます食に関する指導に当たっての学校給食の活用の促進、あるいは小学校低学年からの積極的な食指導の実施でありますとか、各教科等におきます食に関する内容等についてもう少しきちんと整理をし、充実をし、そして明確化していく必要がある、こういう御議論をいただいておるところでございます。今後、更に専門的な観点からの検討を深めていただくことを中教審に期待しているところでございます。

 いずれにいたしましても、文部科学省といたしましては、栄養教諭を中核といたしまして、学校、家庭、地域や関係団体が連携協力をしながら学校におきます食に関する指導の充実を図るなど、今後とも食育の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 是非、学校現場におきまして更に充実したこの食育の重要性を学べるような体制づくりということで、是非この専門家の皆様の意見もしっかりと伺いながら、それが反映されたようなものにしていただきたいと要望させていただきたいと思います。

 また、今、学校給食のお話等もございました。大臣の方からもありましたけれども、私自身も東京の日野市の方で、学校給食、地元のお野菜を使ってそれを給食に出しているといった、そういった取組をしております小学校を視察させていただきまして、この学校はもう恵まれた地域でありまして、自分自身でお米だったり野菜を育てて、それを給食に出していただいて食べるという、そういった取組をしている学校だったんですけれども、やはりその子供たちが、このお米を作るのにこんなに大変だったんだよとか、自分はお野菜嫌いだけど、自分が一生懸命作ったからおいしく食べれると、そういった、本当にこの子供たちが喜んでおいしそうに食べている姿が大変印象的だったんですけれども、そういった意味でも、この地域もそれぞれ課題もあるかと思いますが、こういったそれぞれの地域におきます学校給食の取組も更にいろいろな事例も紹介しながら推進していただきたいと思いますので、これも併せて要望させていただきたいと思います。

 今、栄養教諭のお話もございました。食育を更に推進していく上で、また家庭との連携も重要になってきますので、そういった意味で、平成十七年から栄養教諭制度がスタートしております。そういった意味でも、本当、今後更にこの食育が推進していく上でもこの栄養教諭の活躍に期待したいと思っておりますが、最近では肥満やアレルギー、こういった個々に対応する専門性が求められるような、こういった課題もありますので、そういった意味でもこの栄養教諭の配置、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。

 この栄養教諭の配置状況でございますが、十八年の十月のデータを見ますと、全国で三百十二人となっておりまして、これまでも各委員会等でこの栄養教諭の配置がまだ進んでいないのではないか、こういった指摘もされておりますけれども、これにつきましては地域差もありまして、また各地方自治体の皆様の御理解も必要でありますし、課題もあるかと思いますが、先ほども申し上げましたが、学校教育の場においても更に食育を推進させる、また家庭と連携を取るといった意味でもこの栄養教諭の配置が重要になってくると思いますので、その栄養教諭の配置、もう急いで、急ぐといいますか、早急に取り組む必要があるかと思いますが、その点に関して取組等ございましたらお伺いしたいと思います。

○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。
 本年三月に策定されました食育推進基本計画にも掲げられておりますとおり、学校における食育を推進するために、栄養教諭は指導体制のかなめの職として重要な役割を担っておるわけでございます。文部科学省におきましても、平成十七年度から、委員御指摘のとおり、すべての都道府県において現職の学校栄養職員が栄養教諭免許状を取得できるようにするための講習会を実施してきているところでございまして、これまで平成十八年の十一月現在の数値を見させていただきますと、二十五の道府県に三百二十名の栄養教諭が配置されているところでございまして、私どもといたしましては、平成十九年度には多くの都道府県において栄養教諭の配置が行われる見込みであると考えているところでございます。

 今後とも、栄養教諭の意義と重要性については、様々な機会をとらえまして都道府県に積極的に周知をしながら、食育推進基本計画に掲げられております栄養教諭の全都道府県における早期配置に向けた積極的な取組を図ってまいりたいと考えておるところでございます。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 先週の金曜日の夕刊にも食育白書の閣議決定の報道が掲載をされておりました。今、国民の皆様の間でもこの食育に関心を持たれている方も大変増えてきているかと思います。

 また、この食育に関しましては、世代別また男女別、こういった課題もあるかと思いますけれども、最近特に、特にといいますか、男性の方中心にメタボリックシンドローム、これに関心を持たれている方も増えてきているように思いますけれども、御自分の健康大事であるということで、そういう点ではもう大変重要なことだと思いますが、食育が、自分の健康ももちろんそうですけれども、自分たちの子供の体はもちろんですが、心の育成にも大きくかかわってくる、こういったことまで御存じの方がまだ少ないのではないか、そういった印象も私も受けておりまして、そういった意味で幅広く国民の皆様にもこの食育の重要性を訴えていく必要もあるかと思います。

 先ほども申し上げましたが、やはり世代別に課題があるということで、例えば若い女性はダイエットしたりとか、また今中高生、食事の代わりにお菓子を食べるとか、そういった状況もありまして、やはり世代別のきめ細やかな対応、こういうことも大変重要になってくるかと思います。

 是非、今こそ自分の体、豊かな心を築く上で食育を国民運動として全国に強力に推進していきたいと、いただきたいとも思っておりまして、担当大臣であります高市大臣にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(高市早苗君) ありがとうございます。
 今先生の問題意識を伺いまして、非常にこの食育の意義につきまして、家庭づくり、地域づくり、国づくりの観点から、大変もう私も賛同する御意見でございました。

 先ほど、男女別また年代別にいろいろ課題があるとおっしゃいました。確かに、四十歳以上の男性の方二人に一人がメタボリックシンドロームの強い疑いがある、若しくは予備軍というようなことになっておりますし、二十代の女性では五人に一人がやせ過ぎと。まあ個人的にはやせたいなと思うんですけれども、やせ過ぎというのはこれは良くございません。それからまた、お子さんですね、子供さん、小学生で朝食を食べないことがあるというお子さんが六人に一人ぐらいだというようなことで、食育に対する関心もちょっと男女で差があるようでございますが、今関心を持っている国民が約七割といった状況でございますんで、先ほど御紹介いただきました食育推進基本計画に沿いまして、ちょっとでもこの食育に関心を持っていただく方を増やすこと。

 それから、私の場合は食育担当大臣という職名も持っておりまして、総合調整的な役割になります。ですから、例えば文部科学省に対しましては、この間から私もかなり強い問題意識を持っておりますので、まず第一段階、資料請求、説明聴取といった段階で、いろいろ説明を受けたところです。

 先ほどお話があったように、栄養教諭の配置、都道府県でかなりばらつきがありますし、全く配置していない県の方に私、事情を伺いました。そうしますと、やはり授業時間の確保ですとか、まだまだ教員の間に理解が進んでいないとか、どのように教えていいのか分からないとか、それとやはり地元の負担分ですね、費用の問題ですとか、いろいろそういった御指摘もありましたので、伊吹大臣とも協力し合いながら栄養教諭の配置もしっかり進めたいですし、あと地域でやはり運動を盛り上げていただくということも非常に重要でございますので、こちらもいろいろ先進事例の広報に力を入れながら頑張ってまいりたいと思います。

 いずれにしましても、「早寝早起き朝ごはん」という用語についてかなり定着はしてきたかなと思いますんで、これから一年、取りあえず初年度ですね、精一杯頑張ってまいりたいと思っております。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 是非、高市大臣のリーダーシップの下、私たちも、公明党としましても全力で取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。第二条、教育の目標についてお伺いしたいと思います。

 「学問の自由を尊重しつつ、」とございますけれども、この学問の自由といいますと、私自身のイメージでございますが、高等教育、大学のイメージを持つわけなんですが、この文言が全体に掛かる形でこの部分に出てきておりまして、学問の自由、この意味と、また、この現行法の教育の方針に引き続いて、この文言がここに入れられた理由をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊吹文明君) 先生が御指摘のように、御提案申しております法案二条には教育の目標を書いております。

 しかし、この教育目標すべてを通じて、人間が物を知りたい、真理を探求したいという自然発生的な気持ちは何物にも侵されることなくやはり尊重されなければならないと。したがって、大学はもちろんでありますけれども、特定のイズムとか宗教的背景とか、あるいは政治的影響力を持ちながら、その個人が持っている気持ちを侵すということのないようにしながら二条の教育の目標を達成していくという理念を述べたものであります。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 私たち一人一人が持っております真理探求、学んでいきたいという、そういった学ぶ自由ですね、そういった意味で、この教育全般に掛かる大事な理念ということで今御答弁いただきましたけれども、では、学問の自由、これが教育全般に掛かる重要な理念ということが分かりましたけれども、では、学問の自由を尊重ということと学習指導要領にのっとった教育内容、授業内容、これがどういう関係になるのか、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊吹文明君) これは、この特別委員会でもいろいろ議論をされた大切な点だと思いますが、一人一人が学問、真理を探求するということは、これは何物にも侵されない大切な権利として存在すると思います。

 しかし同時に、学校の現場においては、教える方は、学校教育法その他の公務員法全般の服務に服しながらやっていただかなければならないわけでして、特に義務教育においては、国民すべてに共通する規範意識と学力を達成するということを目的として義務教育を動かしているわけですから、そこのところは法律、そして法律に基づく学校指導要領に基づいて教えていただく義務が教師には、公務員としての教師には生じてくると。私立においても同じように、私立学校の設立を認可する条件として当然そういうことが含まれているということでして、この解釈は、よくここで話題に出ます旭川の学力テスト実施についての最高裁の判例でも、私の今申し上げた解釈が最高裁の判決として確認されております。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。特に、義務教育におきましては、機会均等、また水準の確保という意味でも、今大臣がおっしゃったような対応が重要になってくるかと思います。ありがとうございました。

 続きまして、第二条の五に「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。」、このようにございます。現行の学習指導要領におきましても、小学校六年生の社会科では、我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を育てるようにする、このように定められております。また、同じく中学校、高校の学習指導要領にも同様に規定されているところでございますが、このように学習指導要領にも規定されておりますが、ここであえてこの「我が国と郷土を愛する」、この文言をこの教育の目標の中に一つとして入れました理由についてお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊吹文明君) 現在御提案しております政府案の二条の五号、これは今先生が御指摘になりましたように、まず一番大切なことは、「伝統と文化を尊重し、」ということから始まっているわけですね。ですから、国というものは、領土と、それからそこに存在する国民、そしてその国民が悠久の歴史の中でお互いのかかわり合い、営みの中から積み上げてきた人間の、何というんでしょうか、かかわり合いのようなものがございます。その多くは文化であり伝統であるわけですが、同時に、こうしてお話ししているように、政治という分野もあるわけですね。ですから、私たちは、その積み上げてきた大切な共有財産である文化、伝統をまず尊重すると。

 そして、その文化、伝統をはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度とわざわざ言っているのは、内面にできるだけ立ち入らない。内面に立ち入っていい部分もたくさんあります。しかし同時に、政党のイズムとか、あるいはそのときつくられている政府の在り方とか、例えば第二次世界大戦前の日本の国の政府の在り方については、これは評価はいろいろだと思いますし、現在の自民党政権についても評価もいろいろだと思いますから、その内面に立ち至る部分を含んでいる国というものを愛する心と規定するよりも、態度と、伝統と文化を尊重し、それをはぐくんできた国と郷土を愛する態度とやっておるわけですが、しかし態度も、大部分の多くの態度は、それは心があるから態度に表れるわけですから、これはもう教える場合は、そこは一体として私は考えても構わないと思いますし、ただ、今申し上げたような政治的な部分がございますので、そこはできるだけ慎重に扱いたいということを込めての表現としているわけです。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 日本のこの郷土、歴史、伝統、文化、これを大切に思うこと、そして日本人としてやはり自覚を持って、誇りを持って世界の中でも重要な役割を果たす日本である、そういった誇りを持ってという、そういう意味になるかとも思いますが、この我が国と郷土を愛するということが教育の目標の一つに掲げられたということで、今後この点につきまして、これもこれまでも答弁いただいているところでもありますが、再度確認ということで、この点につきまして児童生徒にどのように指導して、また評価していくのか。先ほどのちょっと答弁に重なるところもあるかと思いますが、再度お伺いしたいと思います。

○政府参考人(銭谷眞美君) 現在でも、小学校の社会科や道徳で我が国を愛する態度に関連する指導を行っているところでございます。ふるさとの歴史や郷土の発展に尽くした偉人、昔から地域に伝わる行事や地域の伝統芸能、文化財、あるいは我が国の発展に大きな働きをした先人の業績、あるいは世界の中で活躍する日本人といったようなことについて調べたりする学習を行っているわけでございます。

 今回、この法案の趣旨を踏まえまして、各学校における指導が一層充実されるように今後学習指導要領の見直しという作業があるわけでございますけれども、その中で、今申し上げましたような伝統、文化に関する学習の充実ということで具体的に検討していくということになろうかと思っております。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。是非、ここの部分は個々の問題といいますか、心の問題でもありますし、今様々御説明ございましたが、この基本法の趣旨がしっかりと現場に伝わるように、現場が混乱しないように徹底していただきたいと思いますので、その点要望させていただきたいと思います。

 続きまして、この第三条の生涯学習の理念についてお伺いしたいと思います。

 私たち人間といいますのは、やはりこの広い意味での教育によって人間として成長できるのではないかと思っております。そういった意味からも、今回、この生涯学習の理念がうたわれていることは大変にすばらしいことかと思っておりますが、また、よく言われることなんですが、子供は社会の鏡、このようによく言われております。昨今のこの教育に関する諸問題を見ましたときに、子供という鏡に照らしまして、私たち大人が自分たちの生き方、またこれまで築いてきました社会、これをしっかりと見直していく、そこからこの根本解決にもつながっていくのではないかと思っております。

 この子供たちに対して私たち大人が、こういう生き方が大事だよとか立派であるよとか、そういったことを語るだけではなくて、私たち自身の生き方、姿を通して子供たちに示していく、そういったことが重要であるかと思います。という観点からも、ただ単に勉強する、学習する、そういった生涯学習ではなくて、自分自身の生き方を見直して更に向上していく、より良い生き方をしていく、そういった生き方ですね、心豊かな人生を送っていく、そういった挑戦をしていく中で、そういった姿を通して子供たちも、自分たちもどういうふうに生きていけばいいのか、それを学ぶことも子供たち自身もできるのではないかと思っております。

 そういった意味でも、この生涯学習、大変に重要なことだと思っておりますが、この生涯学習の理念について、これもちょっと大きな話になりますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊吹文明君) 御提案申し上げております法案の三条に今先生がおっしゃった生涯教育の理念を書いております。

 これは今御指摘になった正にそのことを表現していると理解していただいていいと思いますが、人間はもうその生きているあらゆる時代、段階において常に目標を持って自己研さんを重ねて人間的に成長していくという意欲を持っていなければならないし、また意欲を失うと精神的にも肉体的にも急速に人間は衰えていきます。長寿社会でございますし、昔と比べるとやはり時代の変化というのは非常に速うございますから、人生のあらゆる段階において自分自身の真理探求というか自己成長のステージを保障していくという理念が書かれているということです。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 ちょっと私自身の話で恐縮ですが、私は高校に入学するときに恩師の方から、学ぶ喜びを知る人たれ、こういった指針をいただきまして、今大臣がおっしゃったように、私自身はその当時は勉強をすることが楽しいとか喜びを感じられるのかと、その当時は全く分からなかったんですが、今になって学んでいく、こういった喜びとか楽しみ、それを本当に実感といいますか、分かっていらっしゃる方は常に向上されている、成長されている方だなということをいろんな先輩方の姿を通して私自身も感じているところでございます。

 そういった意味で、先ほども申し上げましたが、ただ単に学ぶ、勉強する、そういったことではなくて、自分自身のより豊かな人生を送る、成長、向上といった意味で、この生涯学習の理念を是非国民の中に浸透していきますよう取り組んでいきたいと私自身も思っております。

 そこで、ちょっと具体的にこの部分でお伺いしたいと思いますが、この後半部分の方に、社会の実現が図られなければならない、義務規定のような感じで定められているところがございまして、この部分、これはだれがだれに向けて課した内容なのかを確認をさせていただきたいと思います。

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。
 生涯学習社会の実現をだれがするのかというお尋ねでございますが、生涯学習社会の実現は、国及び地方公共団体を始めといたしまして、学校、家庭、さらにはその各種団体や企業等も含めまして地域社会、正に国民全体でその実現を図っていく必要があるものと考えておるところでございます。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 では、この生涯学習社会の実現に向けましては、当然政府としましてもその実現を推進していくわけでございますので、具体的にどのようにこの実現に向けて取り組んでいくのか、具体的施策をお伺いしたいと思います。

○政府参考人(田中壮一郎君) 生涯学習の理念を実現するための施策についてのお尋ねでございますけれども、従来より、一度社会に出た後も再び大学等において教育が受けられるようにということで、大学における社会人の受入れの推進でございますとか、放送大学の設置あるいは大学や高等学校におきます公開講座、また社会教育施設におきます講座の充実ということに努力をしてきておるところでございますけれども、今後さらに、この法律に基づきまして、特に各地域における人材に対するニーズとそれからその教育の内容、これをできるだけマッチングさせていくことが重要ではないかというふうに考えております。

 また、これからは団塊の世代が大幅に退職をしていくわけでございますけれども、これらの方々が今まで培ってきた能力、技術というものを地域で遺憾なく発揮する、あるいは学校の支援に役立てていく、そういうための教育サポーター制度といったものも研究に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 是非、この生涯学習、具体的な施策をお伺いしましたが、再チャレンジのこういった支援にもつながることでもありますし、またこの中に「あらゆる機会に、あらゆる場所において」と、こういったことも規定されておりまして、今働き方の見直しも叫ばれておりますが、現実なかなか仕事がお忙しくてそういった時間が取れない方とか、やはりこの社会環境を見ますとそういった厳しい状況もございますので、国民一人一人の意識変革とともに、ここにありますように、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習できる、そういった環境づくりということで、その点もしっかりと、今の社会情勢ですか、環境、それも見た上で今おっしゃったような取組をしっかりと進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 その点につきまして、何かありますでしょうか、今。

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。
 ただいま、例えば公民館におきましていろんな講座が開かれておるわけでございますけれども、ややもすれば教養あるいは趣味といったものに偏りがちな嫌いがあるわけでございますけれども、これからやはり社会で活躍しよう、あるいは再び女性が職業に就こうというようなときには、そういう職業に必要な知識や技術が学べるような教育の機会の提供といったものも心していかなければならないというふうに考えておるところでございます。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 続きまして、第四条の教育の機会均等についてお伺いしたいと思います。

 この条文は、法の下の平等を定める憲法第十四条及び教育を受ける権利を定める憲法第二十六条の教育基本法における具現化の部分であると思いますけれども、これまでどういった具体的施策によりましてこの教育の機会均等を実現したのか、また今後していくのか、簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。

○政府参考人(銭谷眞美君) 御説明を申し上げます。
 憲法に保障されました義務教育の機会均等の保障ということは大変重要な課題でございまして、これまで国は、一つには義務教育の標準法あるいは義務教育費国庫負担法等によります優秀な教員の必要数の確保、二つには習熟度別の少人数指導など個に応じた指導の充実、三点目には、当然でございますが、授業料を無償にしたり、あるいは教科書の無償給与といったことを実施をしてまいったところでございます。また、市町村におきましては就学援助を実施をしているところでございます。

 こういった施策を通じまして、教育の機会均等の保障に努めているところでございます。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 今御答弁いただきましたが、すべて国民はひとしく教育を受ける機会を与えられなければいけないということで、本文にもございますが、ここにもありますけれども、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位、こういったことによらず、国民の皆様がひとしくこういった教育を、すばらしい教育を受けられるようにということで、引き続きその取組におきましては充実した取組を要望させていただきたいと思っております。

 続きまして、この第四条の二でございますが、この「国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。」、こういった新設された条文がございまして、これが規定されたことも大変すばらしいことだと思っております。

 そこで、まず確認をさせていただきたいと思いますが、今、LD、ADHD、高機能自閉症、こういった障害の概念が広がってきておりまして、二〇〇二年のこの文部科学省の実施した実態調査でございますが、小中学校の通常学級に在籍をしている児童生徒のうち、LD、ADHD、高機能自閉症などによりまして、学習や生活の面で特別な教育的支援を必要とされている児童生徒が全国で約六十八万人いらっしゃるということで、これは六・八%程度の割合で在籍をされている、そういった可能性があるということで、そういった資料がございました。これは、四十人学級におきますと、一クラス大体二人から三人いらっしゃるということになるかと思いますが、このLD、ADHD、自閉症、こういった障害はここ数年、学校におきまして、また社会におきましても認識され始めた状況でございまして、今後更にこの児童生徒への適切な教育支援が求められてくるかと思っております。

 そこで、ここの条文にございます障害のある者、ここにつきまして、このLD、ADHD、高機能自閉症、こういったものが含まれるのか確認をさせていただきたいと思います。

○政府参考人(田中壮一郎君) 法第四条第二項に規定いたします障害のある者にどのようなものが含まれるかというお尋ねでございますけれども、これは学校教育法上、盲・聾・養護学校あるいは特殊学級の対象となっている者のみならず、今先生が御指摘いただきました学習障害やADHD等、その発達障害を含めまして広く障害により教育上特別な支援を要すると認められる者がすべて該当するというふうに考えておるところでございます。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。すべて含まれるということで確認をさせていただきました。

 これはもう私が言うまでもございませんが、今申し上げましたこのLD、ADHD、高機能自閉症など、こういった障害を持つ児童に対しましては、先ほども申し上げましたが、きめ細やかなお一人お一人の対応が、そういった支援が求められてきておりますので、平成十九年度から特別支援教育制度を実施されるわけですけれども、再度この現場の状況をしっかりとまた見ていただきまして、このニーズに合った教育支援を進めていただきたいと再度要望させていただきたいと思います。

 続きまして、障害を持つ方の、児童生徒の教育支援とともに、その障害をお持ちの方が卒業した後の次の課題といたしまして、やはりこの皆さんが学んだ後に、自分自身のこの個性、また能力を発揮する場といたしまして、就労がまた次の一つの課題になってくるかと思います。

 これ、厚生労働省におきましても様々取り組んでいただいているかと思いますが、是非文部科学省といたしましても、更に厚生労働省、また企業とも連携を取っていただきまして、障害を持つ児童生徒の皆さんが教育支援を受けて、その後にそれぞれそういったこの力、個性、能力を発揮できる場といたしまして就労の支援を更に連携を取りながら充実させていくことが重要であると思いますが、大臣、御見解、また取り組んでいく決意といいますか、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊吹文明君) まず、小中学校で障害のある児童の学習上の支援その他は、御承知のように、地方の仕事になっておりますので、これは地方財政の中でやっていただかなければなりません。そのことは文科省として総務省によくお願いをしておるところです。

 それから、今先生がおっしゃった高校を卒業した後の就職の問題については、いろいろなモデル事業とか、障害のある人の学校での就労の支援の、まあ何というんでしょうか、事業というのか教育課程のようなものについて、来年度予算要求でも概算要求をしておりますので、そういうものを合わせて、文科省だけでやるとこれ非常に小さなことになりますから、各省、総務省、厚生労働省とも連携をしながら、今おっしゃったような目的を達成できるように、予算の制約はありますが、頑張りたいと思います。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 是非、これは障害を持つ方、またその関係者の方の強い要望でもございますので、強力な推進をよろしくお願いしたいと思います。

 ちょっと順番は変わりますけれども、第二条の四の部分で「生命を尊び、」とうたわれている部分がございますので、それについて最後、大臣にお伺いしたいと思います。

 これは、生命を尊びとうたわれておりますけれども、人間、動植物、また地球上の命あるもの、またその命そのものを尊んでいく、これは私たちが生きていく上で大変重要な課題であると思っております。

 今、学校現場におきましては、これまでも審議されておりますけれども、いじめ問題等深刻になってきておりまして、それが原因で自殺する児童まで出てきている状況でございます。これは、もちろん様々原因、理由はあるかと思いますが、一つは、子供たちの人権、また、ひいては生命を軽視する風潮が社会の中にあるのではないか、また自分自身の生命の尊さ、また周りの人の生命の尊さ、それが実感できていないというか、そういったことも一つはあるのではないかと思っております。

 こういった社会状況の中で、さらに教育現場におきましてこの生命の尊重、これをどのように教えていくのか、訴えていくのか、大変重要な課題になってくるかと思いますが、これをどのように学校教育の場で教えていくのか、最後お伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊吹文明君) 御提案申し上げております法律の二条の四項だったと思いますが、教育の目標の中に今先生が御指摘になった命の大切さというのが入っております。これは、自分の命を大切にするとともに、生きている相手の命を大切にする、これは何も人間同士の命じゃなくて、そのほか、この大自然の中にあるすべてのものの命の尊さというものを教えていく。ですから、単にどこかの教科で教えるというだけではなくて、いろいろ学習指導要領の中で生命の尊さ、一度しか与えられない命というものを、自分の命も相手の命も、そして大自然の中にあるいろいろな命の尊厳というものを教えていくという趣旨でございます。

○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 この生命の尊さを学ぶということで、具体的に動物の飼育だったり生物の育成を通してこの生命の尊さを学んでいる、そういったところもあるかと思います。様々、そういう具体的な取組はあるかとも思いますが、動植物もそうですし、私たち人間自身もやはり一生懸命に生きている、こういった姿を通して尊い姿だなって、本当に命って大事なんだなっていうこともまた改めてその姿を通して感じることもあるかと思いますので、そういった意味で、これは今学校現場における取組をお伺いしましたが、この課題につきましては是非、また家庭、また地域、あらゆる場所において、これは社会全体の生命尊重の、これを再度意識を高めていく上で重要な課題であるかと思いまして、そういった各場面におきましてこれが再度確認されるような、またそういった社会づくりも重要になってくるかと思いました。

 是非、学校教育におきましては、先生方の取組も重要になってくるかと思いますので、今後、教員の育成の部分におきましても、生命の尊重、しっかりと学校の先生が、自分なりの言葉で結構だと思うんですが、それを訴えていけるような、そういった教員の育成も併せて要望させていただきたいと思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


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