○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。 本日は、各参考人の皆様、国会までお越しくださいまして、また貴重な御意見を賜りまして、大変にありがとうございました。
私どもも、それぞれの場所で障害者の方々、また関係者の皆様から御意見を伺ってまいりましたが、人それぞれまた状況も環境も違いますので、そういった意味で、一人でも多くの方からこういった御意見を伺うことが重要であるということを改めて実感いたしました。これからもしっかりとまた皆様の御意見を参考にさせていただきまして、これからのこの障害福祉政策、更に発展させていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
まず初めに、私も橋本参考人に御質問したいと思いますので、先に二点ほど質問させていただきまして、後ほどお答えいただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
先ほども清水委員の方からもありましたが、人工呼吸器を装着されて自宅で、在宅で生活するということで多くの支援が、介護支援が必要になってくるかと思いますが、その一つとして、たんの吸引ということで、先ほどお話も出てまいりました。
その中で、このたんの吸引が家族以外でも認められてきたけども、それが実際には現場ではなかなか対応できていないということで、そういうお話もございまして、しっかりとその点を今後も私たちも検討していかなければいけないと改めて感じました。
また、この今お話ししましたたんの吸引含めまして、本当に個別性の高い介護が求められてくると思いますけれども、そういった医療的なケアはどのようにしてその研修が行われているのか、そうした実態をお聞きしたいと思います。
もう一点は、同じく橋本参考人なんですが、ALSの患者の方が、多くの方、介護保険の対象者とお聞きしております。事前に厚生労働省の方からいただいた資料にもあるんですけども、その中で、橋本参考人が書かれた中で、介護保険優先の一文があるため、多くのALS患者に障害者施策が届いていないというような内容のことが書かれておりました。介護保険と障害者施策、この在り方について、現状とお考えをお聞きしたいと思います。
後でお答えしていただければと思いますので、よろしくお願いします。
武田参考人に御質問させていただきたいと思います。
これも先ほど清水委員からもございましたが、私自身も障害者の自立という点で障害者の所得保障の確立が極めて重要であると考えておりまして、今回の法案でも、福祉と雇用の強化ということで、ここが抜本的に強化されることにもなっております。
今日いただいたこの参考人の資料の中にも、配慮をお願いしますということで、三番目にもございますが、「就労支援の福祉と労働の施策連携強化において、全国どこでもスムーズに制度が使えるような仕組み」ということで、これが配慮をお願いしますということで書かれておりますけども、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのか、その点をお伺いしたいと思います。
また、この障害者施策、障害者自立支援法、これを受けまして、今後これが課題になるのではないか、そういったこともありましたら、併せて御意見をいただきたいと思います。
○参考人(武田牧子君) 具体的なといいますのは、実はこの雇用と福祉の連携のところ、労働施策のところで地域障害者職業センターとかハローワークとかというところがかかわってきて、以前は労働局と県が同じところにあったのが、それが分離してしまった。そしてさらに、今度は独立行政法人ですか、そういう仕組みになっていく中で、幸い島根はとても労働局、障害者職業センター、ハローワーク、それと県との連携がいいんですが、全国の意見を聞いてみると、本当にこの連携がなされていないというのが実態のようでして。
であれば、だれがそのキーマンになっていくのか。それを、市町村がキーマンになっていくのか、それとも労働は広域のところだから都道府県になっていくのかというところをやはり明らかにしておかないと、ますます、私どものように使えるものは何でも使ってやろうというようなところはいいんですけれども、そうでないところでは、本当に障害者が地域で就労を望んでいても、せっかくの制度がありながらもそれが使えないという状況が現状でも起こっておりますし、これからもっと起こってくるんじゃないのかなと。
そうすると、まず一つが福祉計画、市町村が立てるところの中にそこがどれだけ入れ込んでいただけるか、そして広域的な取組の中にどう義務化として入れられるのかというようなところを、やはり国の方も、ただそういったネットワークを取りなさいということではなくて、その仕組みも伝えていかないと、まだノウハウが分からないところが多いんじゃないのかな。何らかのノウハウ、こういうような仕組みがあれば進みますよというようなものができていくといいのかなと思っております。
全国では、大阪もそうですし、和歌山、先駆的にとても就労支援施策が進んでいるところがありますので、そういった進んだところをモデルにしながら、もっともっと広く周知していただければ、働きたいと願う人たちが働ける仕組みができるんじゃないかなと。神奈川辺りでは特例子会社の利用についても本当に皆さん熱心な勉強会を繰り返されていまして、そういったところでも、本当に都道府県によって取組がこれだけ大きく違うのかというのは強く感じております。
あともう一点、何でしたっけ。済みません。
○鰐淵洋子君 また、障害者自立支援法案の中で就労の強化がうたわれておりますけれども、これを受けての、またこういう点で課題が出てくるんではないかとか、また御意見がその点でありましたら。
○参考人(武田牧子君) 先ほど谷先生から御質問いただいた経営のところですね。やはり楽とは言い難い。
そうすると、どこかでそういった、私どもは積極的に、地域にある経営者セミナー、起業家スクールであったりとかそういうところに出るようにして学ぼうと思っているんですが、なかなか現状、現場で重度の障害者も抱えながらというと、そういう余裕がないのが現状ですので、そういう経営分析をしていただける方をどこかで、例えば商工会がやっているような人材バンクのようなところで支援が教えていただけるような仕組みであったりとか、なかなか就労支援、各作業所でするのは大変なので、地域で、どこの事業所は就労支援が得意だよというようなことが分かるような仕組みとか、施設と施設、あるいは行政と施設、そういったところが本当に有機的に連携できるような仕組みと、経営としてどう成り立っていくかというノウハウというところが課題、そこがうまくいくかいかないかで随分違うのではないかなと感じております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) もうよろしいでしょうか。大丈夫ですか。橋本参考人。
○参考人(橋本操君)(橋本佳代子君・金沢公明君陳述補佐) まず、最初の吸引等のケア研修についてなんですけれども、吸引に関して言うと、一応、事業者に認められてもいますけれども、実情としては、当事者がやっているNPO法人のみが頑張って引き受けているという現状です。
まず、じゃ、このケアの研修に関しての補足は金沢の方からさせていただきます。
たんの吸引に関しては、ちょっと、たんの吸引とはどういうことかというのを皆さんに御理解やっぱりいただかないとよく話が通じないと思いますので、ちょっと失礼かと思うんですが、ちょっと説明させてください。
橋本操は、気管切開して、カニューレがあります。ここを外してチューブで吸引というのを行います。これ、なぜかというと、ALSは、随意筋が、運動神経が変性することによって動かなくなります。要は、自分の意思で動かすものが動かせなくなるんですね。横隔膜とか呼吸筋がやられることで息ができなくなる。そういうことで、呼吸器を付けます。自分でたんを吐き出せなくなります。そういうことで、たんを取らないと窒息して死んじゃう。これが人によって十五分とか三十分とか一時間置きとか、個人差はあります。これを二十四時間しなきゃいけないということですね、サポート。
それで、あとは橋本も、これはいい方ですけれども、コミュニケーションが難しい。来ている介護者が本人の何をしてくれということを聞いて、意を解して処置をしなきゃいけない。こういうコミュニケーションの難しさがあります。そういう中で、たんの吸引を、もう私ども、それをやらないと家族は、特に夜ですね、共倒れになると。そういうことで、五年前ですね、当時の坂口大臣に陳情して、何とか関係者の方の御健闘で、在宅のということで認められたんですが、現状、その後どうかというと、先ほど結論は言いました。今、橋本が言ったように、この通知は、厚生労働省の通知は、最終的には本人の自己責任で家族以外の者との同意書で実施しなさいと、あとは介護保険の中でも障害者ヘルプの中でもやってもいいですよと、こうは言っています。しかし、実際の事業者さんなりいろんなところは手間暇が掛かるんですね。そういうことで、やってもいいと言っても実際上はやらない、それは責任なりリスクがあるからです。
例えば、気管切開が必要になると病院に入院します。気管切開します。で、在宅に移行します。そういうときに病院で一か月とか、まあ非常な訓練をします。それには家族が呼ばれて、先生方が吸引とかを教えてくれます。しかし、今度ホームヘルパーを、そういうことを覚えてもらおうとしたときは、家族とか事業所がボランティアでそこに派遣して、何日間か、それで覚えてもらう、こういう方法しかないということですね。
それから、今度在宅に入って介護者がいなくなって、また違う介護者を育てなきゃいけない。こうしたときには、かかりつけの訪問医が来る日か若しくは訪問看護の方が来る日、そういうときに合わせて、覚えようとするヘルパーさんを入れてそこで覚えてもらうと、こういうのをやるとやはり半年とか掛かってきます。そういうことで、なかなか難しさもある、難しさというか困難さもある。それから、制度的にも本来の業務として位置付けられてないものですから、なかなかやってくれようとしない、こういうことで広がりません。
そういう中で、私どもALS協会とすれば、全国的な支部で、神経内科医の先生、看護師さんを指導願って、全体的なケア研修会をやっております。そういうことで、理解が得られるような体制をつくっているところです。これに関しての改善としては三点お願いしたいなと思います。
一つは、きちっと、たんの吸引というものはボランティア的にやるというんじゃなくて、きちっと業務として位置付けてやれるようにしてほしい。これは、今年の三月からALS以外の方もそれができるようになりました。しかし、抱えている問題は一緒です。そういうことで、位置付けをやっぱりきちっとしてほしい。
それから二番目には、研修ですね。介護保険のヘルパー、それから障害者のヘルパー、それから難病のヘルパーとあります。こういうヘルパーの研修にこういう行為をきちっとカリキュラムに入れてやれるようにしていただきたいと。これ、ボランティアでなくて、国が認めるならばそういうことをきちっと制度の中に入れて介護人を育成すると、そういうことをきちっとやっていただきたい、こう思います。
それから三点目は、障害者の場合、自宅だけでなくて外に行きます。それから、介護のデイケア、ショートステイ、それから長期の療養と、そういうことがあるんですが、そういう場合にもたんの吸引というのができないんですね、施設の中とかで。これは、私どもは家庭の延長として考えていますから、そういうところにもたんの吸引ができるようにしていただきたい。それで、付いている慣れた介護人がそういうところにも行けて本人のサポートができると、そういう体制をつくっていただきたい。
以上です。
あと、ケア研修等に関して言わせていただければ、今現在の日常生活支援で、支援費でもらっている単価が、月単価がこの重度包括支援になって今より下がりますと、今現在ぎりぎりのラインでやっている事業所さんがもうからないので撤退をしてしまうというケースが出てきますので、月単価をこれ以上下げられると、ただでさえ足らない支援がもっと足らなくなるというのが懸念されておりますので、この点を十分御配慮いただきたいと思います。
それから、介護保険の先ほどの質問にありました、以前橋本が書かせていただいた文章の問題点なんですけれども、介護保険最大の問題点というのが、使えない、ちょっと言葉は悪いんですけれども、使えないヘルパーさんに介護保険を利用して来てもらってお金を払わないと、一番来ていただきたい支援費を使って自分たちで育てたヘルパーさんを介護に入れることができないというのが現状です。これが介護保険を使い切らないと支援費の支給が受けられないという文言のために今ある問題点です。
以上になります。
よろしいですか、ちょっと補足して。
介護保険と障害者のホームヘルプとの関係ですね。これで言うと、日本ALS協会の者は、とにかく家族介護が大変だということで、介護保険が始まるときに何としてでも入れていただきたいということで、大臣とか関係の方に陳情して入れていただきました。しかし、入れていただいたんですけれども、負担は、何というか、介護者がいなかった人たちにとってはプラスにはなって評価はしています。しかし今度、今まで制度を使っていた人たちにとっては、一割負担ということで要介護度五だと三万六千無条件に払わなきゃいけないと。この負担が増えたということですね。
それから、今申し上げたように、橋本が言ったように、介護保険のヘルパーは一時間単位ぐらいで細切れに来ます。不慣れです。で、先ほど言ったたんの吸引とかそういうことも、きちっと決められていて、させてくれません。そういう事情があって使い勝手が悪いということで、介護保険の、何というか、評価の悪い面はそういうことがありました。
そういうことで、じゃ、ALSとかの重度障害者の人にとってはどういう介護方法が一番いいんだと、そういうことを言うと、やはりこういうコミュニケーション、それから体位の交換なんか、そういうこと、固有の問題があるんですね。それも個人によって違います。こういう人たちをサポートするには、やっぱり慣れた介護者が長時間滞在してできる、そういうものが一番ベストだと思います。これまでの制度でいえば、指名介護人派遣制度とか、全身性介護人派遣事業と、こういうものがありました。今、これが支援費の中の日常生活支援とかその中に継承されてきています。
それで、このことで是非お願いしたいことは、一つは自己負担の問題ですね。これ、介護保険で三万六千円、今度は、この自立支援法で合わせて最高で四万二百円と、こうなりますが、ALSの方は、実際上、中高年で発症して収入の道が閉ざされます、どちらかというと。そういう中で、こういう自己負担だけではなくて、おむつ代だとか、消毒代とか、そういうので二、三万は月どうしても掛かります。そういうことをすると、この一万負担が増えるとか、四万近くになるとかいうのは決して、大変なことです。これが長期に続くわけです。
それと、そういうことで、自己負担の軽減措置をやっぱりきちっとしていただきたいと、これが一点。
それから、もう一点は、サービスを本当に、先ほど橋本が言いましたように、自分たちに一番マッチしたサービス、介護サービスが、それをまず優先して自分たちが使えるようにしたいと。それが今逆転しているといいますかね、介護保険優先というものが介護保険の施行のときに障害福祉法の中にも盛り込まれて、介護保険を、例えば要介護度五だったら支給限度額を目一杯使わなければ使えません。これは三万六千円の自己負担して、なおかつ、使っても中身が半分以上ホームヘルプ事業をやっていないと、使っていないと支援費を使っちゃいけませんと、こういう通達が二〇〇〇年の三月に流れました。そういうことで、厳しいところはそういう形で指導されています。そういうことで、私どもとしては使いたいものが使えなくて、使い勝手悪いものが、そっちが押し付けられてくると、こういうのが率直な気持ちです。
そういう意味で、サービスを自由にというか、本当に自分たちにマッチしたものを最初に使えるような仕組みに是非していただきたいと、このようにお願いします。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
今日、代表のお二人しか御質問はできませんでしたが、しっかりと受け止めて今後も全力で取り組ませていただきます。大変にありがとうございました。
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